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農家の数はどのくらい?世界の農業従事者数ランキング

農業従事者は多いが定収入??

日本の「農家」の割合は労働者全体の3~4%であり、労働者全体から比べると非常に少数です。世界は労働者の80%以上が農業に従事している国も存在しており、全体的に「低収入」な職業です。

世界の国々にはどのくらいの農業従事者が存在するのでしょうか?

世界の農業従事者数
ランキング

世界の農業従事者数
世界一位 インド
世界二位 中国
世界三位 インドネシア

世界の農業従事者数ランキング
Employment in agriculture by country

農業従事者
(人)
2019年
世界合計922,496,625.10
1インド
(India)
205,630,314.00
2中国
(China)
202,645,307.30
3インドネシア
(Indonesia)
38,817,637.83
4エチオピア
(Ethiopia)
35,947,000.12
5バングラデシュ
(Bangladesh)
26,515,003.30
6パキスタン
(Pakistan)
26,456,727.81
7ナイジェリア
(Nigeria)
21,734,424.37
8ベトナム
(Vietnam)
20,805,540.37
9コンゴ民主共和国
(Democratic Republic
of the Congo)
19,873,494.51
10タンザニア
(Tanzania)
17,777,403.23
11ケニア
(Kenya)
12,856,069.15
12タイ
(Thailand)
12,187,906.35
13ウガンダ
(Uganda)
11,887,162.04
14ミャンマー
(Myanmar)
11,635,933.83
15ネパール
(Nepal)
10,813,143.30
16フィリピン
(Philippines)
10,213,697.40
17ブラジル
(Brazil)
9,477,427.34
18モザンビーク
(Mozambique)
9,358,272.22
19マダガスカル
(Madagascar)
8,889,627.95
20北朝鮮
(North Korea)
7,419,174.66
21メキシコ
(Mexico)
7,063,181.04
22アンゴラ
(Angola)
6,654,107.93
23ナイジェリア
(Nigeria)
6,233,213.57
24マラウイ
(Malawi)
6,214,011.91
25テュルキエ
(Turkiye)
6,052,362.74
26エジプト
(Egypt)
5,781,167.98
27ペルー
(Peru)
5,145,167.12
28カメルーン
(Cameroon)
4,928,919.33
29スーダン
(Sudan)
4822835.288
30イラン
(Iran)
4,740,952.22
31ジンバブエ
(Zimbabwe)
4,736,596.28
32マリ
(Mali)
4,466,783.29
33アフガニスタン
(Afghanistan)
4,412,364.45
34ロシア
(Russia)
4,286,544.34
35ブルンジ
(Burundi)
4,284,106.76
36コロンビア
(Colombia)
4,145,143.04
37モロッコ
(Morocco)
4,024,216.91
38ルワンダ
(Rwanda)
3,952,953.98
39ガーナ
(Ghana)
3,914,864.38
40チャド
(Chad)
3,808,921.07
41ザンビア
(Zambia)
3,647,803.79
42ウズベキスタン
(Uzbekistan)
3,645,255.71
43コートジボワール
(Ivory Coast)
3,366,690.04
44カンボジア
(Cambodia)
3,184,193.50
45ウクライナ
(Ukraine)
2,904,086.22
46南スーダン
(South Sudan)
2,874,447.31
47ギニア
(Guinea)
2,782,628.13
48エクアドル
(Ecuador)
2,472,039.63
49日本
(Japan)
2,323,810.04
50ラオス
(Laos)
2,302,905.08
51アメリカ
(America)
2,262,436.67
52ソマリア
(Somalia)
2,262,190.01
53スリランカ
(Sri Lanka)
2,118,607.96

各国の農業従事者数

農業者数の算出方法
国の農業者割合(%)/100 x 国の労働者人口(2019年)

大体の農業従事者数であり、正確なものではありません。

農業従事者数が多い国は貧困層が多い
農業従事者数が多い国(割合)は「貧困層」が多い傾向があります。農業は「一次産業」であり、先進国は一次産業をおこなう国から仕入れ・加工をおこない、さらに付加価値を付け販売する流れがあります。先進国で販売されている物は発展途上国から安価に仕入れた材料を利用しているケースが多く、貧困層が多い要因の一つです。

農業従事者が多い国
アフリカ大陸の国々は農業従事者が多く、【ブルンジ】【ソマリア】は労働者の80%以上が農業に従事しています。

農業従事者が少ない国
【シンガポール】【アルゼンチン】【香港】【マカオ】【ルクセンブルグ】【イスラエル】【ベルギー】【バーレーン】は労働者の1%以下が農業に従事しています。

インド
農業従事者の人数

インドの農業従事者数
2019年にインドでは人口の42.59%が農業に従事しており、約2億563万人になります。

中国を超える農業従事者
インドは中国の農業従事者数を大きく超えており、国内の食料自給率は100%を超えています。とくに「米」「小麦」などの生産量が多く、国内で利用される「豆類」なども多く生産していますが、隣国からも多く輸入しています。


北部と南部で食生活が異なる
インドは北部と南部で食生活が異なり、北部は「パン」、南部では「米」を主食とする人が多くなっています。これはインドの「気候」に関係しており、北部は寒暖が大きく「小麦」が育ちやすく、南部では温暖な気候を利用した「米」栽培がおこなわれれる事が大きな食文化の違いを生んでいます。

中国
農業従事者の数

中国の農業従事者数
2019年に中国では労働人口の25.32%が農業に従事しており、約2億264万人になります。


中国の農業従事者
中国は自国の食料自給率が100%を超えており、非常に多くの農業従事者が国内に存在しますが「小規模農家」が多く、1戸あたりの農地面積も日本と比べても小さくなっています。(日本の1/3程度)

そのため、農村部では「都市部へ出稼ぎ」へ出る者が多く、農家は稼げない職業の一つになっています。

輸出が少ない
中国の農業は「国内消費」が多く、海外への輸出が非常に少ない傾向があります。中国政府は自国の農業に力を注いでいますが、農業のGDPは下落しており、農業に衰退の兆しが見られます。

インドネシア
農業従事者の人数

インドネシアの農業従事者数
2019年にインドネシアでは労働人口の28.50%が農業に従事しており、約3881千万人になります。

豊富な生産品
インドネシアでは様々な作物が栽培されており、「パーム油(アブラヤシの果実)」「ゴム」「カカオ」「コーヒー」など南国の植物の他に「コメ」「トウモロコシ」などアジア圏全体で生産される作物も非常に多く生産されています。

インドネシアの農業の課題
インドネシアも【中国】【日本】同様に農家一戸あたりの作付面積が小さく、灌漑設備などの農業インフラが整っていない場所も多く存在します。英語が通じる国ですが、マーケットにもまだまだ課題が多く、農家の人口は減少傾向です。

インドネシアの英語教育
インドネシアの言語は「インドネシア語」ですが「英語教育」が積極的に取り入れられており、インドネシアに住む多くの人が英語を使用する事ができます。

エチオピア
農業従事者の人数

エチオピアの農業従事者数
2019年にパキスタンでは労働人口の66.62%が農業に従事しており、約3594千万人になります。

エチオピアはどこ?
アフリカ大陸の東部の内陸部に存在する国で、イネ科の「テフ」や「トウモロコシ」「ソルガム」「コムギ」「オオムギ」「マメ」などが多く栽培されています。エチオピアは内陸部に存在しており、海上ルートでの輸出は隣国の【ジブチ】を利用しておこなわれるのが一般的です。

エチオピアの農業
エチオピアの人口の80%以上が農村部で生活しており、全体の労働者の65%以上が農業に従事しています。一戸あたりの農地面積は2ヘクタール以下と小さく、農業に対する収入は非常に少なくなっています。貧困層も非常に多く、エチオピア政府は農業に対し教育支援などをおこなっていますが認知度が非常に低く、利用している農家は一部になります。

バングラデシュ
農業従事者の人数

バングラデシュの農業従事者数
2019年にバングラデシュでは労働人口の38.29%が農業に従事しており、約2651千万人になります。

バングラデシュの農業
バングラデシュの農業の特徴は「コメ」農家が非常に多く、生産される農産物の70%以上が米になります。また、多くの米農家が「二毛作」をおこなっており、場所によっては「三毛作」をおこなっています。

農家の減少
バングラデシュは工業化してきており、農家の数が年々減少してきています。バングラデシュの多くの農家は一戸あたり1ヘクタール以下の農地を有しており、収入は限定的になります。農家を辞め都市部で働く人も多く、若者なども多くが都市部で働いているケースが多くなっています。

パキスタン
農業従事者の人数

パキスタンの農業従事者数
2019年にパキスタンでは労働人口の36.91%が農業に従事しており、約2645千万人になります。

パキスタンの農業
パキスタンは「サトウキビ」「コムギ」「コメ」「トウモロコシ」「綿花」などが多く生産されています。パキスタンの農家は一戸当たり約4~5ヘクタールの農地を有しており、比較的に大きな面積になります。(上記の国々と比べた場合)

「水不足」の深刻化
パキスタンの農業は「灌漑農業」を中心におこなわれていますが、地下水などが枯渇している場所が多く、「水不足問題」が深刻化しています。【ウズベキスタン】【カザフスタン】なども「綿花」を栽培しており、多くの地下水の利用・水不足に陥っています。

ナイジェリア
農業従事者の人数

ナイジェリアの農業従事者数
2019年にナイジェリアでは労働人口の34.97%が農業に従事しており、約2173千万人になります。

ナイジェリアの生産品
ナイジェリアでは主食となる「キャッサバ」「ヤムイモ」などが多く生産されており、「トウモロコシ」「コメ」なども多く生産されています。

「キャッサバ」って主食になるの?
アフリカではかなりメジャーな食べ物です。アフリカでは原料(キャッサバ・イモ類・キビ・コメなど)に水を加え「餅状」になった「フフ」という食べ物を主食にしている国が多く人気があります。フフは「噛まずに飲み込む」という作法があります。

ナイジェリアの農業
ナイジェリアでも非常に多くの人が農業に従事しており、小規模農業が中心になります。

ベトナム
農業従事者の人数

ベトナムの農業従事者数
2019年にベトナムでは労働人口の37.22%が農業に従事しており、約2080千万人になります。

ベトナムの農業
ベトナムは温暖な気候を有しており、「コメ」「サトウキビ」「キャッサバ」「トウモロコシ」などが多く栽培されています。ベトナムの稲作も「二期作」「三期作」が多くの農家によっておこなわれています。とくに「メコン川流域のメコンデルタ」「紅河下流の紅河デルタ」などで多くの稲作がおこなわれています。

ベトナムの農業を支える小規模農家
ベトナムでは一戸あたりの農地面積の平均は0.5ヘクタールを下回っています。ベトナムでは古くから稲作がおこなわれており、地域社会のコミュニティが存在します。貧富の差を抑えるために水田の割り替え(現在はおこなわれていない)などがおこなわれており、非常に多くの米が生産されています。

コンゴ民主共和国
農業従事者の人数

コンゴ民主共和国の農業従事者数
2019年にコンゴ民主共和国では労働人口の64.30%が農業に従事しており、約1987千万人になります。

深刻な食料問題
コンゴ民主共和国は人口が9000万人を超えていますが、国内で大きな「食料不足」が発生しています。国内では「コバルト」「金」などの貴重な「鉱物」の採掘が盛んにおこなわれており、主な輸出品も鉱物になります。食料は輸入品が多く、国内の食料自給率は30%程度になり、多くの子供などが「栄養失調」に陥っています。

インフラが整っていない
コンゴ民主では「キャッサバ」などが多く栽培栽培されていますが、雨季になると一時的に冠水する地域があり、農地として利用されない土地が多く存在します。これらの地域を農地として利用するには灌漑設備などのインフラを整える必要があり、非常に多くの課題を抱えています。

タンザニア
農業従事者の人数

タンザニアの農業従事者数
2019年にタンザニアでは労働人口の65.08%が農業に従事しており、約1777千万人になります。

タンザニアの農業
タンザニアでは主に「トウモロコシ」「キャッサバ」「サツマイモ」「バナナ」などが栽培されています。高地では雨量が多く、キリマンジャロなどでは「コーヒー」の栽培がおこなわれており、キリマンジャロで生産されたコーヒーは世界的に有名です。

日本
農業従事者の人数

日本の農業従事者数
2019年に日本では労働人口の3.38%が農業に従事しており、約232万人の計算になりますが、実際の農業従事者数は200万人以下になります。

日本の農業
日本では一戸あたりの農地面積の平均は1~2ヘクタールになります。「野菜」「コメ」「果物」の順に生産額が多く、「北海道」「鹿児島県」「茨城県」の順で生産量が多くなっています。

兼業農家は金持ち
茨城県は本業の合間に農業をおこなう兼業農家が多く、所得が多い人が多い傾向があります。

日本の農業は儲からない?
日本は一戸あたりの農地面積が少なく、生産量が限られています。

まとめ

農業従事者数減少
農業従事者数は人口増加と共に増加している国が多く存在しますが、【日本】【中国】を含めた多くの先進国で農家の高齢化など様々な要因により、農業従事者数が減少しています。

世界中で「農業は低賃金」の職種であり、人気がある職業とは言えません。「引退したら農業を勤しむ」と考える人も多いと思いますが、農業をゼロから始めるのは非常に難しく、知識も必要です。

今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考

Hannah Ritchie. "Employment in agriculture: data sources and definitions" (English) 2022年. Our World In Data. 2021年10月22日閲覧。
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