栽培に水が少なくてすむ
スーパーフード
「豆」を主食とする国は限定的ですが、豆の栽培は水が少なくてすむスーパーフードです。「南米」「アフリカ」で日常的に消費される食品であり、様々な料理に利用されます。
世界ではどの国がどのくらい豆を消費しているのでしょうか?
世界の豆
消費量ランキング
世界の豆消費量
世界一位 ルワンダ
世界二位 ブルンジ
世界三位 エルサルバドル
世界の豆 消費量ランキング
Beans - Food supply quantity
国 | 消費量 (kg) 2021年 | |
1 | ルワンダ (Rwanda) | 32.92 |
2 | ブルンジ (Burundi) | 28.04 |
3 | エルサルバドル (El Salvador) | 18.91 |
4 | タンザニア (Tanzania) | 15.7 |
5 | ニカラグア (Nicaragua) | 15.69 |
6 | ウガンダ (Uganda) | 13.15 |
7 | ホンジュラス (Honduras) | 12.55 |
8 | ブラジル (Brazil) | 12 |
9 | カメルーン (Cameroon) | 11.33 |
10 | 北朝鮮 (North Korea) | 10.49 |
11 | コスタリカ (Costa Rica) | 9.25 |
12 | メキシコ (Mexico) | 8.31 |
13 | ケニア (Kenya) | 8.05 |
14 | パラグアイ (Paraguay) | 7.89 |
15 | トーゴ (Togo) | 7.84 |
16 | チャド (Chad) | 7.61 |
17 | グアテマラ (Guatemala) | 7.31 |
18 | 東ティモール (East Timor) | 7.11 |
19 | アンゴラ (Angola) | 6.89 |
20 | ベネズエラ (Venezuela) | 6.74 |
21 | キューバ (Cuba) | 6.71 |
22 | ベナン (Benin) | 6.65 |
23 | ドミニカ共和国 (Dominican Republic) | 6.39 |
24 | ガーナ (Ghana) | 5.73 |
25 | マラウイ (Malawi) | 5.35 |
26 | アルバニア (Albania) | 5.05 |
27 | ボスニア ヘルツェゴビナ (Bosnia and Herzegovina) | 4.93 |
28 | オーストラリア (Australia) | 4.63 |
29 | モルドバ (Moldova) | 4.63 |
30 | カンボジア (Cambodia) | 4.54 |
31 | カザフスタン (Kazakhstan) | 4.54 |
32 | アルゼンチン (Argentina) | 4.44 |
33 | カーボベルデ (Cape Verde) | 3.93 |
34 | エチオピア (Ethiopia) | 3.91 |
35 | インド (India) | 3.75 |
36 | サントメ プリンシペ (Saint Thomas and Prince) | 3.67 |
37 | 北マケドニア (North Macedonia) | 3.57 |
38 | カザフスタン (Kazakhstan) | 3.31 |
39 | タジキスタン (Tajikistan) | 3.1 |
40 | イラク (Iraq) | 3.03 |
41 | ボリビア (Bolivia) | 2.89 |
42 | テュルキエ (Turkiye) | 2.79 |
43 | セルビア (Serbia) | 2.74 |
44 | モーリシャス (Mauritius) | 2.71 |
45 | モザンビーク (Mozambique) | 2.64 |
46 | パナマ (Panama) | 2.62 |
47 | コンゴ民主共和国 (Democratic Republic of the Congo) | 2.6 |
48 | ジャマイカ (Jamaica) | 2.58 |
49 | ハイチ (Haiti) | 2.51 |
世界平均 | 2.51 | |
50 | ドミニカ国 (Dominica) | 2.27 |
51 | アメリカ (America) | 2.26 |
52 | カンボジア (Cambodia) | 2.23 |
53 | アラブ首長国連邦 (AUE) | 2.14 |
日本 (Japan) | 0.72 |
FAOの利用規約はこちらをご覧くだいさい。
当サイト上で使用しているデータの著作権および商標権
その他知的財産権は当該コンテンツの提供元に帰属します。
世界の豆
情報
食料供給量(Food supply quantity)
基準にしているバランスシートは「輸出・輸出量」「家畜の飼料量」「種子として使用する量」「保管および輸送中の損失」「人間が消費可能な食料供給量」が区別されており、この記事は「供給量を消費量として計算」しています。
理由は「一人ひとりの消費量を正確に把握する事は不可能」「生食以外に加工品として利用」「利用されないまま廃棄される」など目的が異なる消費が混在している事から、単純にわかりやすい供給量を消費量として計算しています。
ルワンダ
豆の情報
「豆」の消費量が多い国
ルワンダは「豆の消費量が世界一多い国」といわれています。ルワンダで摂取されるタンパク質のうち「動物性のタンパク質」は5%以下であり、豆からのタンパク質の摂取量が65%以上といわれています。
調理用バナナ「プランテン」も主食の一つ
調理用バナナ「プランテン」は主食の一つです。プランテンは基本的に加熱処理が必要であり、味は「ジャガイモ」に近くなります。
ブルンジ
豆の情報
ブルンジで好まれる豆は「レットビーンズ」
ブルンジでは「Katogo(カトゴ)」といわれる日本の「肉じゃが」に少し似た料理が伝統的に消費されます。カトゴには赤豆の他に調理用バナナ「プランテン」を加える事が多く、国内で頻繁に消費されます。
ブルンジの赤豆生産地
レットビーンズは国内で非常に人気がありますが、小豆を大規模に生産している訳では無く、小規模農家により生産がおこなわれています。
エルサルバドル
豆の情報
エルサルバドルで好まれる豆は「レッドビーンズ」
エルサルバドルでは「ブラジル」の「フェイジョアーダ」に似た「カサダ」という伝統料理があり、「レットビーンズ」が利用されます。カサダは調理用バナナ「プランテン」なども加えられます。
エルサルバドルの赤豆生産地
主に西部の「アワチャパン県」、中西部の「サン・サルバドル県」などで多くの赤豆を生産しています。
タンザニア
豆の情報
タンザニアで好まれる豆は「レッドビーンズ」
タンザニアではさまざまな種類の豆が消費されますが、その中でも「レッドビーンズ」が多く消費される傾向があります。
増加する糖尿病
タンザニアは食の欧米化により「糖尿病」患者が増加しています。タンザニアは加糖された加工食品の消費が増加しており、糖尿病を避けるために「豆」を摂取する事が促進されていますが、国内の人口増加と共に都市化が進んでおり、食生活は変化し続けています。
タンザニアの重要な収入源
豆が多く生産・輸出されており、タンザニアの収入源の一つです。また、品種により「水」をあまり必要としない種も多く、水の少ない国々では貴重な生産作物として栽培されています。
ニカラグア
豆の情報
ニカラグアで好まれる豆は「黒豆」
「黒豆」です。「 Gallo Pinto(ガージョ・ピント)」は黒豆と米を炒めた料理で、日本の「赤飯」と見た目が少し似ています。ガージョ・ピントはニカラグアの一般的な朝食であり、日常的に消費されます。
ニカラグアの黒豆生産地
西部の「レオン県」、北西部の「エステリ県」、中部の「マタガルパ県」なので多くの黒豆が生産されています。ニカラグアは非常に温暖な気候を有しており、国内で様々な豆を生産しています。
ウガンダ
豆の情報
ウガンダで好まれる豆は「レッドビーンズ」
「レッドビーンズ」が好まれ、スープ、シチューなどに利用されます。
アフリカの食料問題
アフリカは雨が少ない国が非常に多く、生産できる作物が限られていますが、人口が爆発的に増加している国が多く、多くの国が「食料問題」に直面しています。灌漑設備(水を人工的に取り入れる設備)などが整備されていない地域も多く、水が極めて少ない土地でも栽培が可能な「キマメ」など、その土地に合う植物が栽培されています。
「キャッサバ」なども主食の一つ
ウガンダは「キャッサバ」も主食の一つとして消費されます。キャッサバも乾燥に強い植物であり、日本で栽培する場合は水を与える必要がほとんどありません。
ホンジュラス
豆の情報
ホンジュラスで好まれる豆は「レッドビーンズ」
「レッドビーンズ」です。「Frijoles(フリーホレス)」「Frijoles Rohos(フリーホレス・ロハス)」などが国内で多く消費され、ベイクドビーンズとして缶詰にも加工されています。
ホンジュラスの赤豆生産地
主に中西部の「コマヤグア県」、西部の「レンピーラ県」などでレッドビーンズが生産されています。国内で伝統料理などに利用され、日常的に消費される豆の一つです。
ブラジル
豆の情報
ブラジルで好まれる豆は「黒豆」
ブラジル料理「フェイジョアーダ」という「白米」「肉」「黒豆」を加えた料理が国民食であり、日常的に黒豆が消費されます。
ブラジルの黒豆生産地
主に南部の「サンタカタリーナ州」、中部の「ゴイアス州」、南東部の「ミナスジェライス州」などで多くの黒豆を生産しています。
ブラジルの「豆」の人気が低下
「豆」は一般的な中低所得者層の主食の一つとして消費される食料でしたが、都市化と共に所得が増加、「肉」などの動物性タンパク質の摂取量が増え、豆の消費量は大きく減少しています。価格の安い「米」の消費量も大きく減少しており、国内では豆・米の生産量も減少させています。
食生活の変化
ブラジルでは食生活が大きく変化しています。豆は伝統的な食べ物の一つで、朝・昼・晩に一般的に消費されていたのは過去の話であり、現在は好みにより「パン」などの消費が増加しています。
カメルーン
豆の情報
カメルーンで好まれる豆は「ささげ」
カメルーンでは「カウピ豆(ささげ)」が好まれる傾向があり、伝統料理に多く加えられます。
カメルーンのカウピ―豆生産地
西部の「リトラル州」、中央部の「中央州」、西部の「西部州」などがカウピ豆の生産地です。
北朝鮮
豆の情報
北朝鮮で多く消費される豆は「大豆」
「大豆ペースト」を加えた「トウジャン」や大豆から生産された「醤油」などが利用されます。
北朝鮮の大豆生産地
首都の「平壌」近辺、南西部の「南浦特別市」、南部の「黄海北道」などで多くの大豆が生産されています。
インド
豆の情報
豆が足りない!
インドは世界一「豆」を生産する国ですが、人口が多く非常に多く、国内の消費量を国内の生産量で賄う事ができません。「ヒンドゥー教徒」が多いインドは豆が貴重なタンパク源であり、非常に安価に購入できる食品です。
国内の豆の需要を賄うため、他国から多くの豆を輸入しています。そのため、国内の豆の価格は輸入価格により大きく変動し、問題になっています。
豆の生産は儲からない
インドは「豆」の最低価格が決められていません。「米」「小麦」などは政府が最低価格決めていますが、豆は最低価格が決められておらず、値崩れなどが起こりやすい作物です。
豆は一般的に「油」に加工される事が多なりますが、インドでは加工所が限られています。
ミャンマー
豆の情報
ミャンマーの豆
ミャンマーは「豆」の生産が盛んにおこなわれており、国内で2番目に多く生産される作物です。
国内で生産される農産物の30%以上が豆であり、国内の農地面積の20%以上で豆の生産がおこなわれています。生産される豆の多くが「緑豆」であり、全体の70%以上です。
メキシコ
豆の情報
豆生産大国
メキシコは非常に多くの「豆」を生産しており、国内で消費される90%以上の豆が国内で生産されています。また、輸出量も非常に多く、国内で生産した豆を隣国の「アメリカ」やその他の国へ輸出しています。
古来から消費されるスーパーフード
メキシコの豆の歴史は非常に深く、古来から先住民の主食として消費されていた「スーパーフード」です。
ヨーロッパ文化により、豆料理に大きな変化をもたらしましたが、古来から煮込まれた豆が消費されており、2019年に伝統的なメキシコ料理がユネスコの「無形文化遺産」に登録されています。
中国
豆の情報
動物の飼料として
中国は国内で利用される「豆」の85%以上が「動物の飼料」として利用されており、「アルゼンチン」「ブラジル」「米国」などから多く輸入しています。
国内生産の大豆生産
中国は日本同様に多くの豆を海外から輸入しています。国内でも多くの豆を生産していましたが「トウモロコシ」に対し、政府が多額の補助金を交付しており、豆の生産からトウモロコシの生産へシフトしています。
ケニア
豆の情報
多くのアフリカの国々で豆は主食の一つ
「豆」は多くのアフリカの国々の主食の一つです。
アフリカの多くの国々が豆を生産しており、毎日の食事に豆を取り入れる人も多く存在します。また、豆は重要な換金作物の一つであり、市場では豆の売買が盛んにおこなわれています。
アフリカの主食「フフ」
アフリカの多くの国々では粉にした穀物に水を加え、餅状にした「フフ」という食物が主食の一つとして消費される事が多くなります。
フフの伝統的な食べ方
フフは伝統的に「噛む」事がタブーとされており、「細かくちぎり飲み込む」事が基本的な食べ方です。
※日本でも「フフ」を提供する多国籍レストランが多く存在しますが、噛まずに飲み込む行為は危険が伴いますのでご注意ください。
アンゴラ
豆の情報
ポルトガルの文化の影響
アンゴラはポルトガルの植民地時代に食の影響を強く受けており、国内に多くのポルトガル料理が存在します。アンゴラで生産された豆にポルトガルから輸入された「オリーブオイル」などを合わせた料理が多く存在しており、人気があります。
まとめ
気候変動による栽培作物の変化
豆は種類により「水やり」が非常に少なくてすむ植物であり、アフリカの降水量が少ない国々でも安定して生産する事が可能です。世界では「気候変動」と思われる天候不順により作物の生産量が減少している国が多く、天候不順の少ないアフリカに注目が集まっています。
貧困が多い国は豆の生産や消費が多い
豆は生産が簡単な事などから、生産にお金がかからない豆の生産・消費は貧困層が多い国々で多い傾向があります。「日本」「中国」などは国内で利用する豆は海外からの輸入が多く、安価に購入する事が可能です。国内で豆を生産しても採算がとれず、他の作物へ切り替えた農家が多く、生産者が減少した事などが理由です。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
サムネイル: 「Pixabay」から商用利用可能な写真を加工・利用しています。