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世界のCO2の輸入量ランキング

 物を生産する過程でCO2は発生します。生産された物を輸入する事はCO2を輸入する事にもなり、CO2の削減にはこれらを減らす必要もあります。

 世界ではどのくらい生産されたものにより発生したCO2が輸入されているのでしょうか?

記事の内容

世界のCO2の輸入量ランキング
各国のCO2の輸入量

世界のCO2の輸入量ランキング

CO2の輸入量世界一はアメリカ世界二位は日本世界三位はイギリスです。

世界のCO2の輸入量ランキング
Annual imported or exported CO2 Emissions

二酸化炭素
輸入量(t)
2020年
1アメリカ
(America)
Population: 335,624,927
369,970,000
2019年
2日本
(Japan)
Population: 125,810,000
182,130,000
2019年
3イギリス
(U.K)
Population: 67,530,200
151,690,000
2019年
4ドイツ
(Germany)
Population: 83,517,000
113,310,000
2019年
5イタリア
(Italy)
Population: 60,550,100
110,370,000
2019年
6フランス
(France)
Population: 65,129,700
106,270,000
2019年
7スイス
(Switzerland)
Population: 8,591,400
79,310,000
2019年
8ベルギー
(Belgium)
Population: 11,539,300
71,790,000
2019年
9香港
(Hong Kong)
Population: 2,303,700
66,440,000
2019年
10シンガポール
(Singapore)
Population: 5,804,300
66,440,000
2019年
11韓国
(Korea)
Population: 51,225,300
49,380,000
2019年
12アラブ首長国連邦
(AUE)
Population: 9,770,500
47,580,000
2019年
13スウェーデン
(Sweden)
Population: 10,036,400
26,950,000
2019年
14オーストリア
(Ausria)
Population: 8,955,100
23,660,000
2019年
15サウジアラビア
(Saudi Arabia)
Population: 34,268,500
22,980,000
2019年
16バングラデシュ
(Bangladesh)
Population: 163,046,200
21,450,000
2019年
17ベネズエラ
(Venezuela)
Population: 28,515,800
21,370,000
2019年
18スペイン
(Spain)
Population: 46,736,800
21,000,000
2019年
19フィンランド
(Finland)
Population: 5,532,200
19,910,000
2019年
20メキシコ
(Mexico)
Population: 120,575,500
19,830,000
2019年
21ブラジル
(Brazil)
Population: 211,049,500
18,190,000
2019年
22フィリピン
(Philippines)
Population: 108,116,600
17,640,000
2019年
23イスラエル
(Israel)
Population: 8,519,400
17,240,000
2019年
24デンマーク
(Denmark)
Population: 5,771,900
16,850,000
2019年
25ハンガリー
(Hungary)
Population: 9,684,700
16,380,000
2019年
26インドネシア
(Indonesia)
Population: 274,522,988
12,760,000
2019年
27ルクセンブルク
(Luxembourg)
Population: 615,700
12,680,000
2019年
28スロバキア
(Slovakia)
Population: 5,457,000
12,230,000
2019年
29パナマ
(Panama)
Population: 4,246,400
12,110,000
2019年
30ボツワナ
(Botswana)
Population: 2,303,700
11,500,000
2019年
31コロンビア
(Colombia)
Population: 50,339,400
10,130,000
2019年
32ケニア
(Kenya)
Population: 52,574,000
9,690,000
2019年
33モザンビーク
(Mozambique)
Population: 30,366,000
9,600,000
2019年
34スリランカ
(Sri Lanka)
Population: 21,323,700
9,530,000
2019年
35タイ
(Thailand)
Population: 69,625,600
9,500,000
2019年
36タンザニア
(Tanzania)
Population: 58,005,500
8,660,000
2019年
37ヨルダン
(Jordan)
Population: 10,101,700
8,370,000
2019年
38ペルー
(Peru)
Population: 32,510,500
8,150,000
2019年
39リトアニア
(Lithuania)
Population: 2,759,600
7,700,000
2019年
40エクアドル
(Ecuador)
Population: 17,373,700
7,620,000
2019年
41チリ
(Chile)
Population: 18,952,000
7,520,000
2019年
42カザフスタン
(Kazakhstan)
Population: 18,551,400
5,710,000
2019年
43ポルトガル
(Portugal)
Population: 10,226,200
5,460,000
2019年
44パキスタン
(Pakistan)
Population: 216,565,300
5,310,000
2019年
45ノルウェー
(Norway)
Population: 5,378,900
5,250,000
2019年
46エチオピア
(Ethiopia)
Population: 112,078,700
5,210,000
2019年
47ネパール
(Nepal)
Population: 28,608,700
5,180,000
2019年
48ウルグアイ
(Uruguay)
Population: 3,461,700
5,020,000
2019年
49ナミビア
(Namibia)
Population: 2,494,500
5,000,000
2019年
50ラトビア
(Latvia)
Population: 1,906,700
4,960,000
2019年
51コートジボワール
(Ivory Coast)
Population: 25,716,500
4,910,000
2019年
52トーゴ
(Togo)
Population: 8,082,400
4,880,000
2019年
Our World in Data based on the Global Carbon Project
https://doi.org/10.18160/gcp-2021

各国のCO2の輸入量

 
 ヨーロッパでは輸入品のうち、生産する過程で発生したCO2は415,950,000トン、北米では354,350,000トン、アジアでは‐1,480,000トンと、中国による輸出量が輸入量を上回っています。(2019年)

アメリカのCO2の輸入量


 アメリカでの輸入品のうち、生産する過程で発生したCO2は369,970,000トンです。

 ヨーロッパ人は、米国市民の一人当たり約2倍のCO2を輸入していますが、依然としてアメリカはCO2の輸入量世界一になっています。米国に並ぶ多くの製品は貧しい国や発展途上国で生産された製品で、これらの製品は米国やその他の豊かな国の多くへ輸出されています。電製品、自動車、機械などの生産の過程で、多くのCO2を排出する商品の輸出入比率が高いため、CO2排出量の半分以上を外部委託しています。CO2を減らすには豊かさを削るという選択肢以外に最新のテクノロジーを利用するといった方法がありますが、これらを利用できるのは最新のテクノロジーを利用する事が可能な米国などの豊かな先進国で、貧しい国での利用は難しくなっています。

日本のCO2の輸入量


 日本での輸入品のうち、生産する過程で発生したCO2は182,130,000トンです。

 日本は2019年に世界第5位のエネルギー消費国でしたが、過去10年間で、一次エネルギー消費量は徐々に減少しています。日本の高齢化や少子化による人口減少、高水準のエネルギー効率と省エネ、近年の低い年間GDP成長率は、国のエネルギー成長を抑制しています。国内総生産(GDP)は、日本の輸出に対する世界的な需要の低迷、隣接する中国の経済成長の鈍化、韓国との貿易紛争の結果として、過去2年間で2017年の2.2%から2019年には0.7%未満に減速しました。

 2011年の福島原子力発電所の事故後、日本のエネルギー燃料構成は変化し、総エネルギー消費量に占める天然ガス、石油、再生可能エネルギーの割合が増加し、原子力エネルギーの一部に取って代わりました。石油は依然として日本で最大の一次エネルギー源ですが、総エネルギー消費量に占める割合は1970年代の約80%から2019年には40%に減少しています。石油シェア​​の低下は、人口の減少と高齢化、高エネルギー効率対策、ハイブリッド車と電気自動車の増加などが要因なっています。

イギリスのCO2の輸入量


 イギリスでの輸入品のうち、生産する過程で発生したCO2は151,690,000トンです。

 イギリスでの温室効果ガスを削減のための取り組みは、輸入品を対象とする気候政策を実施していないため、不十分な取り組みだと研究者に指摘されています。

 イギリス政府は、他の多くの国々同様に2050年までにの炭素排出量をゼロに削減することを約束しており、排出量は過去30年間減少しています。しかし、英国の二酸化炭素排出量の目に見えない側面を考慮に入れていません。イギリスも多くの製品を海外から輸入していて、それらの製品は輸出国で大きなCO2を排出しています。自然保護慈善団体WWFの報告によると、英国の真の二酸化炭素排出量の約半分がこれらの発生源で構成されているとしています。

 英国への輸入に関連する排出量は、1990年の約3億1600万トンの炭素から、2016年には3億6000万トン、2017年には3億5800万トンに増加しました。2007年のピーク時の4億4,900万から減少しているものの、概ね安定しているか増加しています。

ドイツのCO2の輸入量


 ドイツでの輸入品のうち、生産する過程で発生したCO2は113,310,000トンです。

 ドイツは世界最大の輸出国の1つです。主に自動車や機械などの分野から商品を輸出しています。これらの製品は、ドイツの管理下で開発、製造、輸出され、他の国で使用されています。ドイツは多くの部品などをドイツ以外の国で製作していて、他国同様に製作の段階で多くのCO2が排出されています。

 ドイツでは商品を輸入する原産国がパリ協定の署名者であり、協定下で生産された環境に優しい製品を購入しなくてはならないと考えられています。時代遅れで環境に悪い物とは決別し、更なる輸入、輸出市場の確保、他国を先導する者としての行動が自国の利益にもつながると考えられています。

イタリアのCO2の輸入量


 イタリアでの輸入品のうち、生産する過程で発生したCO2は110,370,000トンです。

 イタリアを含むヨーロッパのCO2排出量は減少しています。しかし、それらは減少していると錯覚しているだけで、生産に多くのCO2を排出した製品をヨーロッパに輸出している事がCO2の減少に繋がっています。これは自国を汚さず、他国を汚染している事になります。同じ期間の世界的な排出量の状況を見ると、2000年から2018年にかけて、世界全体で二酸化炭素排出量は41%増加しています。アジア圏のCO2排出量の増加が大きく、特に中国(+200%)とインド(₊144%)で、大きく上昇しています。

まとめ


 今回は以上です。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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