天然ガスは石炭や原油と比べ温室ガスの排出量が低いとされています。しかし、燃焼により二酸化炭素が発生するため、将来的に削減や使用の停止が求められています。
世界では天然ガスによるCO2がどのくらい排出されているのでしょうか?
✔記事の内容
各国の天然ガスによるCO2排出量
世界の天然ガスによるCO2排出量ランキング
世界の石炭による二酸化炭素排出量世界一はアメリカ、世界二位はロシア、世界三位は中国です。

世界の天然ガスによるCO2排出量ランキング
Annual CO2 emissions from gas
国 | 二酸化炭素 排出量(t) | |
1 | アメリカ (America) ![]() Population: 335,624,927 | 1,780,000,000 |
2 | ロシア (Russia) ![]() Population: 145,872,300 | 747,590,000 |
3 | 中国 (China) ![]() Population: 1,406,473,280 | 605,250,000 |
4 | イラン (Iran) ![]() Population: 82,913,900 | 434,230,000 |
5 | サウジアラビア (Saudi Arabia) ![]() Population: 34,268,500 | 257,220,000 |
6 | カナダ (Canada) ![]() Population: 37,411,000 | 219,130,000 |
7 | 日本 (Japan) ![]() Population: 125,810,000 | 216,540,000 |
8 | ドイツ (Germany) ![]() Population: 83,517,000 | 170,730,000 |
9 | イギリス (U.K) ![]() Population: 67,530,200 | 156,830,000 |
10 | メキシコ (Mexico) ![]() Population: 120,575,500 | 146,980,000 |
11 | イタリア (Italy) ![]() Population: 60,550,100 | 139,950,000 |
12 | インド (India) ![]() Population: 1,402,862,229 | 126,980,000 |
13 | アラブ首長国連邦 (AUE) ![]() Population: 9,770,500 | 115,020,000 |
14 | 韓国 (Korea) ![]() Population: 51,225,300 | 114,830,000 |
15 | エジプト (Egypt) ![]() Population:100,388,100 | 99,610,000 |
16 | カタール (Qatar) ![]() Population: 2,832,100 | 90,160,000 |
17 | トルコ (Turkey) ![]() Population: 83,429,600 | 88,950,000 |
18 | アルジェリア (Armenia) ![]() Population: 43,053,100 | 88,220,000 |
19 | ウズベキスタン (Uzbekistan) ![]() Population: 32,981,700 | 87,110,000 |
20 | アルゼンチン (Argentine) ![]() Population: 44,780,700 | 86,700,000 |
21 | フランス (France) ![]() Population: 65,129,700 | 80,910,000 |
22 | オーストラリア (Australia) ![]() Population: 25,203,200 | 80,210,000 |
23 | インドネシア (Indonesia) ![]() Population: 274,522,988 | 78,480,000 |
24 | タイ (Thailand) ![]() Population: 69,625,600 | 76,120,000 |
25 | マレーシア (Malaysia) ![]() Population: 31,949,800 | 71,950,000 |
26 | パキスタン (Pakistan) ![]() Population: 216,565,300 | 71,690,000 |
27 | オランダ (Nederland) ![]() Population: 17,097,100 | 70,750,000 |
28 | スペイン (Spain) ![]() Population: 46,736,800 | 64,130,000 |
29 | ウクライナ (Ukraine) ![]() Population: 43,993,600 | 62,770,000 |
30 | ブラジル (Brazil) ![]() Population: 211,049,500 | 60,330,000 |
31 | バングラデシュ (Bangladesh) ![]() Population: 163,046,200 | 59,230,000 |
32 | トルクメニスタン (Turkmenistan) ![]() Population: 5,942,100 | 53,860,000 |
33 | オマーン (Oman) ![]() Population: 4,975,000 | 53,160,000 |
34 | カザフスタン (Kazakhstan) ![]() Population: 18,551,400 | 48,150,000 |
35 | 台湾 (Taiwan) ![]() Population: 23,600,900 | 46,420,000 |
36 | イラク (Iraq) ![]() Population: 39,309,800 | 43,430,000 |
37 | クウェート (Kuwait) ![]() Population: 4,207,100 | 41,450,000 |
38 | ナイジェリア (Nigeria) ![]() Population: 200,963,600 | 39,160,000 |
39 | ポーランド (Poland) ![]() Population: 37,887,800 | 36,630,000 |
40 | ベルギー (Belgium) ![]() Population: 11,539,300 | 35,470,000 |
41 | ベラルーシ (Belarus) ![]() Population: 9,452,400 | 34,010,000 |
42 | トリニダード・トバゴ (Trinidad and Tobago) ![]() Population: 1,395,000 | 31,140,000 |
43 | バーレーン (Bahrain) ![]() Population: 1,641,200 | 30,830,000 |
44 | ベネズエラ (Venezuela) ![]() Population: 28,515,800 | 24,730,000 |
45 | コロンビア (Colombia) ![]() Population: 50,339,400 | 24,720,000 |
46 | アゼルバイジャン (Azerbaijan) ![]() Population: 10,047,700 | 23,410,000 |
47 | ルーマニア (Rumania) ![]() Population: 19,364,600 | 22,560,000 |
48 | シンガポール (Singapore) ![]() Population: 5,804,300 | 21,110,000 |
49 | ハンガリー (Hungary) ![]() Population: 9,684,700 | 20,500,000 |
50 | イスラエル (Israel) ![]() Population: 8,519,400 | 19,410,000 |
51 | リビア (Libya) ![]() Population: 6,777,500 | 18,200,000 |
52 | チェコ (Czech) ![]() Population: 10,689,200 | 17,650,000 |
https://doi.org/10.18160/gcp-2021
各国の天然ガスによるCO2排出量
世界で天然ガスによるCO2の排出量は約7,400,000,000(7.4億トン)になります。そのうち、アジア地域からの排出が約2,950,000,000トン(2.9億トン)で約39.8%、北米で約2,060,000,000トン(2億トン)で27.8%、ヨーロッパで1,780,000,000トン(1.7億トン)で24%排出しています。
世界で排出されているCO2のうち、21.2%が天然ガスの使用により発生したCO2になります。
天然ガスの埋蔵量は地球全体で198兆7561億㎥になります。
アメリカの天然ガスによるCO2排出量
アメリカの天然ガスによるCO2排出量は2020年に1,780,000,000トンです。
世界の天然ガスによるCO2の排出量のうち、24.0%がアメリカから排出されています。
アメリカで使用されているエネルギーの32.2%が天然ガスです。原油が39.1%、石炭が11.9%、原子力が8.0%、再生可能なエネルギーが6.2%、水力が2.6%になり、世界に埋蔵されている原油のうち、6.5%がアメリカに埋蔵されています。(BP Statistical Review of World Energy 2020)
アメリカでは発電所からの温室ガスの排出量が多く、1990年以来、温室ガスの排出量の31%が発電所から発生しています。2019年には、米国の温室効果ガス排出量の12%が二酸化炭素吸収源によって相殺されています。(USEPA 2021)
ロシアの天然ガスによるCO2排出量
ロシアの天然ガスによるCO2排出量は2020年に747,590,000トンです。
世界の天然ガスによるCO2の排出量のうち、10.1%がロシアから排出されています。
ロシアで使用されているエネルギーの53.7%が天然ガスです。原油が22.0%、石炭が12.2%、原子力が6.2%、再生可能なエネルギーが0.1%、水力が5.8%になり、世界に埋蔵されている原油のうち、19.1%がロシアに埋蔵されて、世界一の埋蔵量になります。(BP Statistical Review of World Energy 2020)
メタンなどのガスはCO2に次いで温暖化の原因になるガスです。ロシアのヤマル地域などから多く供給されています。ヤマル地方の液化天然ガス(LNG)は日本にも2019年から提供が開始されています。
天然ガスの削減は温暖化の抑止力の一つになりますが、提供不足により、ヨーロッパや様々な国でガス代や電気代の高騰が発生しています。私の住んでいる地域でもガス代や電気代が2倍に高騰し、家計への負担が増加しています。カザフスタンなどでは2022年1月に燃料代の高騰により、不満をもった市民が暴徒化、内閣が総辞職に追い込まれています。(2022年1月)
中国の天然ガスによるCO2排出量
中国の天然ガスによるCO2排出量は2020年に605,250,000トンです。
世界の天然ガスによるCO2の排出量のうち、8.1%が中国から排出されています。
中国で使用されているエネルギーの7.8%が天然ガスです。原油が19.7%、石炭が57.6%、原子力が2.2%、再生可能なエネルギーが4.7%、水力が8.0%になり、世界に埋蔵されている原油のうち、4.2%がアメリカに埋蔵されています。(BP Statistical Review of World Energy 2020)
温室効果ガスは水田や家畜からメタンガス、畑から亜酸化窒素が発生します。神奈川県の調査によると、1㎡あたり20~25グラムのメタンが発生しているとされ、温暖の原因の一つになっています。中国の温室効果ガスの13%が農業により排出され、亜酸化窒素やメタンが多く排出されています。(Climate Trace 2020年)
イランの天然ガスによるCO2排出量
イランの天然ガスによるCO2排出量は2020年に434,230,000トンです。
世界の天然ガスによるCO2の排出量のうち、5.8%がイランから排出されています。
イランで使用されているエネルギーの65.2%が天然ガスです。原油が31.8%、石炭が0.4%、原子力が0.5%、再生可能なエネルギーが0.04%、水力が2.1%になり、世界に埋蔵されている原油のうち、16.1%がイランに埋蔵されています。(BP Statistical Review of World Energy 2020)
イランでは気候変動により降水量の減少、干ばつ、乾燥や砂漠化など多くの影響をうけやすい国の一つです。
COP26ではイランはメタン削減計画に参加していません。イランの他に中国、ロシア、インドも参加を見送っています。
サウジアラビアの天然ガスによるCO2排出量
サウジアラビアの天然ガスによるCO2排出量は2020年に257,220,000トンです。
世界の天然ガスによるCO2の排出量のうち、3.4%がサウジアラビアから排出されています。
サウジアラビアで使用されているエネルギーの37.1%が天然ガスです。原油が62.7%、石炭が0.04%、原子力が0.0%、再生可能なエネルギーが0.01%、水力が0.0%になり、世界に埋蔵されている原油のうち、3.0%がサウジアラビアに埋蔵されています。(BP Statistical Review of World Energy 2020)
サウジアラビアは化石燃料を豊富に有している国で、国内で供給されているエネルギーのほどんどが天然ガスと原油になります。
サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、CO2排出量を削減可能にするテクノロジーの利用、世界のエネルギー市場の安定性強化に貢献する姿勢を示しており、今後の再生可能なエネルギーの開発や化石燃料の利用の減少が期待されています。
まとめ
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。