世界で利用されている航空機の燃料も温暖化の要因の一つです。カーボンニュートラルが叫ばれる今、航空機に使用する燃料もSustainable aviation fuel; SAF(持続可能な燃料。植物などから作られた燃料など)に変更されています。
世界の航空機によるCO2の排出量はどのくらいなのでしょうか?
✔記事の内容
各国の飛行機によるCO2排出量
世界の飛行機によるCO2排出量ランキング
航空機によるCO2排出量世界一はアメリカ、世界二位は中国、世界三位はイギリスです。

世界の飛行機によるCO2排出量ランキング
CO2 emissions from aviation
国 | 二酸化炭素 排出量(t) 2018年 | |
1 | アメリカ (America) ![]() Population: 335,624,927 | 181,910,000 |
2 | 中国 (China) ![]() Population: 1,406,473,280 | 94,910,000 |
3 | イギリス (U.K) ![]() Population: 67,530,200 | 29,850,000 |
4 | 日本 (Japan) ![]() Population: 125,810,000 | 23,420,000 |
5 | ドイツ (Germany) ![]() Population: 83,517,000 | 22,170,000 |
6 | アラブ首長国連邦 (AUE) ![]() Population: 9,770,500 | 21,140,000 |
7 | インド (India) ![]() Population: 1,402,862,229 | 19,380,000 |
8 | フランス (France) ![]() Population: 65,129,700 | 19,150,000 |
9 | オーストラリア (Australia) ![]() Population: 25,203,200 | 19,000,000 |
10 | スペイン (Spain) ![]() Population: 46,736,800 | 18,520,000 |
11 | カナダ (Canada) ![]() Population: 37,411,000 | 17,160,000 |
12 | ロシア (Russia) ![]() Population: 145,872,300 | 16,280,000 |
13 | ブラジル (Brazil) ![]() Population: 211,049,500 | 14,810,000 |
14 | インドネシア (Indonesia) ![]() Population: 274,522,988 | 13,890,000 |
15 | タイ (Thailand) ![]() Population: 69,625,600 | 13,070,000 |
16 | 韓国 (Korea) ![]() Population: 51,225,300 | 12,170,000 |
17 | トルコ (Turkey) ![]() Population: 83,429,600 | 11,930,000 |
18 | イタリア (Italy) ![]() Population: 60,550,100 | 11,890,000 |
19 | メキシコ (Mexico) ![]() Population: 120,575,500 | 11,180,000 |
20 | シンガポール (Singapore) ![]() Population: 5,804,300 | 10,020,000 |
21 | オランダ (Nederland) ![]() Population: 17,097,100 | 8,450,000 |
22 | サウジアラビア (Saudi Arabia) ![]() Population: 34,268,500 | 7,910,000 |
23 | マレーシア (Malaysia) ![]() Population: 31,949,800 | 7,220,000 |
24 | カタール (Qatar) ![]() Population: 2,832,100 | 6,880,000 |
25 | フィリピン (Philippines) ![]() Population: 108,116,600 | 5,610,000 |
26 | ベトナム (Vietnam) ![]() Population: 96,462,100 | 5,460,000 |
27 | 南アフリカ共和国 (South Africa) ![]() Population: 58,558,300 | 4,910,000 |
28 | ポルトガル (Portugal) ![]() Population: 10,226,200 | 4.420,000 |
29 | スイス (Switzerland) ![]() Population: 8,591,400 | 4,410,000 |
30 | アルゼンチン (Argentine) ![]() Population: 44,780,700 | 4,190,000 |
31 | ニュージーランド (New Zealand) ![]() Population: 4,783,100 | 3,860,000 |
32 | ギリシャ (Greece) ![]() Population: 10,473,500 | 3,510,000 |
33 | コロンビア (Colombia) ![]() Population: 50,339,400 | 3,370,000 |
34 | チリ (Chile) ![]() Population: 18,952,000 | 3,150,000 |
35 | スウェーデン (Sweden) ![]() Population: 10,036,400 | 2,840,000 |
36 | イラン (Iran) ![]() Population: 82,913,900 | 2,790,000 |
37 | アイルランド (Ireland) ![]() Population: 4,882,500 | 2,770,000 |
38 | ペルー (Peru) ![]() Population: 32,510,500 | 2,720,000 |
39 | イスラエル (Israel) ![]() Population: 8,519,400 | 2,710,000 |
40 | ノルウェー (Norway) ![]() Population: 5,378,900 | 2,710,000 |
41 | ベルギー (Belgium) ![]() Population: 11,539,300 | 2,700,000 |
42 | エジプト (Egypt) ![]() Population:100,388,100 | 2,580,000 |
43 | デンマーク (Denmark) ![]() Population: 5,771,900 | 2,560,000 |
44 | ポーランド (Poland) ![]() Population: 37,887,800 | 2,550,000 |
45 | オーストリア (Ausria) ![]() Population: 8,955,100 | 2,240,000 |
46 | モロッコ (Morocco) ![]() Population: 36,471,800 | 2,060,000 |
47 | フィンランド (Finland) ![]() Population: 5,532,200 | 2,020,000 |
48 | パキスタン (Pakistan) ![]() Population: 216,565,300 | 1,950,000 |
49 | パナマ (Panama) ![]() Population: 4,246,400 | 1,900,000 |
50 | エチオピア (Ethiopia) ![]() Population: 112,078,700 | 1,840,000 |
51 | ケニア (Kenya) ![]() Population: 52,574,000 | 1,520,000 |
52 | オマーン (Oman) ![]() Population: 4,975,000 | 1,490,000 |
https://theicct.org/publications/co2-emissions-commercial-aviation-2018
各国の飛行機によるCO2排出量
世界の航空機によるCO2排出量は約746,800,000になります。そのうち、北米で約181,910,000トンで24.3%、ヨーロッパで141,740,000トンで18.9%排出しています。
アメリカの飛行機によるCO2排出量
2018年のアメリカの航空機によるCO2排出量は約746,800,000で、世界の航空機から排出されるCO2の24.3%がアメリカから排出されています。
アメリカで航空機による排出量が多い州は、第一位がカリフォルニアで35ミリオントン(3500万トン)、第二位はテキサス州、ニューヨーク州、フロリダ州で17ミリオントン(1700万トン)、第5位がイリノイ州で11ミリオントン(1100万トン)です。北米では移動に航空機が利用される事が多く、アクセスが難しい州の利用が多くなっています。(DSAT for MSFT, GeoNames, Tom Tom 2019年)
アメリカの飛行機によるCO2の削減
2021年、米国環境保護庁(EPA)は、2016年に国際民間航空機関(ICAO)によって採用されたCO2の排出に関する国際基準に厳密に従う最終決定しました。2019年に納入された航空機は、ICAOの基準を6%超えてCO2を排出しています。2020年に米国基準が提案された後、航空機および航空機エンジンメーカー、12のアメリカの州、コロンビア特別区からの温室効果ガス排出量を削減しないことが発表されています。
中国の飛行機によるCO2排出量
中国の航空機によるCO2排出量は約94,910,000で、世界の航空機から排出されるCO2の12.7%が中国から排出されています。
中国には22の省、5つの自治区、4つの直轄市、2つの特別行政地区が存在しています。中国には国内に現在240ヵ所の空港が存在しています。中国の経済成長は大きく、2035年までに更に160ヵ所、合計400ヵ所の空港を運用する事を目指しています。
中国の飛行機によるCO2の削減
中国の航空機によるCO2の排出量は大きく、削減が求められています。国内では年間乗客数が500万人以上の空港で、航空機ベースのAPU(補助動力装置)の代わりに地上動力装置(GPU)の使用を促進、空港でエコカーなどの新エネルギー車両の導入、航空機のタキシング時間を平均3分短縮、老朽化した航空機の使用停止、最適な航空路の利用などがおこなわれています。
イギリスの飛行機によるCO2排出量
イギリスの航空機によるCO2排出量は約29,850,000で、世界の航空機から排出されるCO2の3.9%がイギリスから排出されています。
イギリスではCovid-19により航空業界が停滞しています。2030年半ばまで飛行機から排出されるカーボンの量を増加させるという発表があり、停滞する航空業界を回復させたいという考えがうかがえます。カーボンオフセット(排出量が減る努力を行い、どうしても排出される温室効果ガスについて、削減活動に投資などを行い、排出される温室効果ガスについて埋め合わせをするというもの)を購入してCO2の排出量をコントロールすると発表されていて、環境保護団体からの不満は多く、フライトの数を減らす事がもとめられています。
イギリスの飛行機によるCO2の削減
持続可能な航空燃料(SAF)、電気および水素を使用した航空機、飛行ルートの変更などにより、将来的にCO2の排出量の削減がおこなわれています。しかし、フライト数の増加により、2030年代半ばには排出量が増加すると思われます。イギリスでは、2030年には15%の温室効果ガスの削減、2040年までには40%を削減するとされています。
日本の飛行機によるCO2排出量
日本の航空機によるCO2排出量は約23,420,000で、世界の航空機から排出されるCO2の3.1%が日本から排出されています。
日本では2015年に約2億トンのCO2が航空機から排出されています。日本国内の運輸業界から排出されるCO2排出量は全体の20%を占めています。(国土交通省 2016年)
日本の飛行機によるCO2の削減
日本航空(JAL)によると、CO2の削減として、持続可能な航空燃料(SAF)の開発と利用、同時にカーボンオフセットの購入といった一般的な対策がとられています。具体的なカーボンオフセットの購入先は本県小国町の伐採促進事業、インドネシア・リンバラヤ生物多様性保護区の森林伐採防止事業、北海道4町の伐採促進事業、アフリカの水インフラへの投資による衛生環境の改善などです。
ドイツの飛行機によるCO2排出量
ドイツの航空機によるCO2排出量は約22,170,000で、世界の航空機から排出されるCO2の2.9%がドイツから排出されています。
ドイツも航空機によるCO2の排出量が多い国の一つです。古い航空機によるCO2の排出量が多く、排出量の少ない航空機に置き換えることで、温暖化の抑止力の一つになると考えられています。2020年以降、Covid-19による影響により、航空業界が大きく低迷しています。ドイツ政府による支援プログラムなどにより、新型の航空機の購入などが考えられています。
ドイツの飛行機によるCO2の削減
現在使用されている燃料を持続可能な航空燃料(SAF) に置き換える事、国内旅客の1/5を空路から鉄道による移動への変更、更に国内旅行などでより良い鉄道を利用したアクセス、ヨーロッパ領空の迂回路を減らし、飛行経路の最適化、航空業界の競争の歪みを排除、カーボンオフセットおよび削減スキーム(CORSIA)の調整、エネルギー供給、建物とシステムの技術、EVなどへのシフト、空港の小売・ケータリング事業では、使い捨てプラスチックの排除など、非常に細かいCO2削減に対する対策がとられています。
まとめ
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。