「天然ガス」は「石油」「石炭」に比べ、温室効果ガスの排出量が少ないとされています。
世界では国別一人当たりどのくらいの天然ガスによるCO2を排出しているのでしょうか?
✔記事の内容
各国の天然ガス CO2排出量(国別一人当たり)
世界の天然ガス CO2排出量ランキング
(国別一人当たり)
世界の一人当たりの天然ガスによるCO2排出量世界一はカタール、世界二位はトリニダード・トバゴ、世界三位はバーレーンです。

世界の天然ガス CO2排出量ランキング(国別一人当たり)
CO2 emissions from gas (per capita)
国 | 天然ガスによる CO2排出量 (t) (一人当たり) 2020年 | |
1 | カタール (Qatar) ![]() Population: 2,832,100 | 31.30 |
2 | トリニダード・トバゴ (Trinidad and Tobago) ![]() Population: 1,395,000 | 22.25 |
3 | バーレーン (Bahrain) ![]() Population: 1,641,200 | 18.12 |
4 | ブルネイ (Brunei) ![]() Population: 433,300 | 17.21 |
5 | アラブ首長国連邦 (AUE) ![]() Population: 9,770,500 | 11.63 |
6 | オマーン (Oman) ![]() Population: 4,975,000 | 10.41 |
7 | クウェート (Kuwait) ![]() Population: 4,207,100 | 9.71 |
8 | トルクメニスタン (Turkmenistan) ![]() Population: 5,942,100 | 8.93 |
9 | サウジアラビア (Saudi Arabia) ![]() Population: 34,268,500 | 7.39 |
10 | カナダ (Canada) ![]() Population: 37,411,000 | 5.81 |
11 | イラン (Iran) ![]() Population: 82,913,900 | 5.17 |
12 | ロシア (Russia) ![]() Population: 145,872,300 | 5.12 |
13 | アメリカ (America) ![]() Population: 335,624,927 | 5.00 |
14 | オランダ (Netherlands) ![]() Population: 17,097,100 | 4.13 |
15 | シンガポール (Singapore) ![]() Population: 5,804,300 | 3.61 |
16 | ベラルーシ (Belarus) ![]() Population: 9,452,400 | 3.60 |
17 | オーストラリア (Australia) ![]() Population: 25,203,200 | 3.15 |
18 | ベルギー (Belgium) ![]() Population: 11,539,300 | 3.06 |
19 | リビア (Libya) ![]() Population: 6,777,500 | 2.65 |
20 | ウズベキスタン (Uzbekistan) ![]() Population: 32,981,700 | 2.60 |
21 | カザフスタン (Kazakhstan) ![]() Population: 18,551,400 | 2.56 |
22 | 赤道ギニア (Equatorial Guinea) ![]() Population: 1,356,000 | 2.51 |
23 | ノルウェー (Norway) ![]() Population: 5,378,900 | 2.45 |
24 | ルクセンブルク (Luxembourg) ![]() Population: 615,700 | 2.37 |
25 | イタリア (Italy) ![]() Population: 60,550,100 | 2.31 |
26 | イギリス (U.K) ![]() Population: 67,530,200 | 2.31 |
27 | アゼルバイジャン (Azerbaijan) ![]() Population: 10,047,700 | 2.31 |
28 | イスラエル (Israel) ![]() Population: 8,519,400 | 2.24 |
29 | 韓国 (Korea) ![]() Population: 51,225,300 | 2.24 |
30 | マレーシア (Malaysia) ![]() Population: 31,949,800 | 2.22 |
31 | アイルランド (Ireland) ![]() Population: 4,882,500 | 2.19 |
32 | ハンガリー (Hungary) ![]() Population: 9,684,700 | 2.12 |
33 | ドイツ (Germany) ![]() Population: 83,517,000 | 2.04 |
34 | アルジェリア (Armenia) ![]() Population: 43,053,100 | 2.01 |
35 | 台湾 (Taiwan) ![]() Population: 23,600,900 | 1.95 |
36 | アルゼンチン (Argentine) ![]() ![]() Population: 44,780,700 | 1.92 |
37 | オーストリア (Ausria) ![]() Population: 8,955,100 | 1.89 |
38 | スロバキア (Slovakia) ![]() Population: 5,457,000 | 1.80 |
39 | 日本 (Japan) ![]() Population: 125,810,000 | 1.71 |
40 | チェコ (Czech) ![]() Population: 10,689,200 | 1.65 |
41 | アルメニア (Armenia) ![]() Population: 2,957,700 | 1.64 |
42 | リトアニア (Lithuania) ![]() Population: 2,759,600 | 1.64 |
43 | ニュージーランド (New Zealand) ![]() Population: 4,783,100 | 1.63 |
44 | マルタ (Malta) ![]() Population: 440,400 | 1.59 |
45 | ウクライナ (Ukraine) ![]() Population: 43,993,600 | 1.44 |
46 | スペイン (Spain) ![]() Population: 46,736,800 | 1.37 |
47 | 香港 (Hong Kong) ![]() Population: 2,303,700 | 1.32 |
48 | クロアチア (Croatia) ![]() Population: 4,130,300 | 1.32 |
49 | リヒテンシュタイン (Liechtenstein) ![]() Population: 38,000 | 1.31 |
50 | フランス (France) ![]() Population: 65,129,700 | 1.24 |
51 | ジョージア (Georgia) ![]() Population: 3,996,800 | 1.20 |
52 | ルーマニア (Romania) ![]() Population: 19,364,600 | 1.17 |
世界平均 | 0.95 |
https://doi.org/10.18160/gcp-2021
各国の天然ガス CO2排出量ランキング(国別一人当たり)
世界全体でCO2の排出量は約7,400,000,000(7.40億トン)になります。電気の利用(発電所など)による排出が約2,950,000,000トン(2.95億トン)で約39.86%、北米で約2,060,000,000トン(2.06億トン)で27.83%、ヨーロッパで1,780,000,000トン(1.78億トン)で24.05%、南米で556,500,000トン(0.55億トン)で7.52%、アフリカで287,020,000トン(0.28億トン)で3.87%、オセアニアで154,500,000トン(0.15億トン)で2.08%排出しています。

世界全体で排出されているCO2のうち、21.2%が天然ガスの使用により発生したCO2になります。
天然ガスの埋蔵量は地球全体で198兆7561億㎥になります。
カタールの天然ガス CO2排出量
2020年にカタールは天然ガスの利用により、一人当たり約31.30トンの二酸化炭素(CO2)が排出されています。1963年には2.73トン排出していて、28.57トン増加しています。
カタールは液化天然ガスの世界最大の生産国です。2027年までに天然ガスの生産を年間、1億2700万トンに拡大することを目標にしています。
カタール エネルギー利用率
カタールは2020年に化石燃料の利用により、1.71EJのエネルギーを使用しています。石油が0.45EJで26.31%、天然ガスが1.26EJで73.68%になります。(出典: BP Statistical Review of World Energy 2020)
カタール国内のエネルギーの消費は平均的ですが、化石燃料の産出国で、非常に多くの化石燃料を海外へ輸出しています。

カタールのCO2削減の取り組み
カタールの環境気候変動省は2030年までに温室効果ガス排出量を25%削減することを目的とした「気候変動に対する行動計画」を開始したと述べています。フィュージティブエミッション(生産施設から漏れてしまうガス)の回収などにも力を入れるとされ、気候変動対策に力が注がれています。(出典: REUTERS)
トリニダード・トバゴの天然ガス CO2排出量
2020年にトリニダード・トバゴは天然ガスの利用により、一人当たり約22.25トンの二酸化炭素(CO2)が排出されています。1925年には0.32トン排出していて、21.93トン増加しています。
トリニダード・トバゴ エネルギー利用率
トリニダード・トバゴは2020年に化石燃料の利用により、0.62EJのエネルギーを使用しています。石油が0.08EJで12.90%、天然ガスが0.54EJで87.09%になります。(出典: BP Statistical Review of World Energy 2020)

トリニダード・トバゴのCO2削減の取り組み
トリニダード・トバゴは、カリブ海の小アンティル諸島に属する小島嶼開発途上国で、人口は137万人です。年間の温室効果ガス排出量は世界の排出量の1%未満ですが、一人当たりの排出量は非常に多くなっています。(出典: GCCA)
トリニダード・トバゴは2018年に「京都議定書」(温暖化防止のために決められた国際協定)に著名しています。京都議定書の下に構築されているMRV制度「測定・報告・検証(Measurement, Reporting and Verification: MRV)」「システム用の知識管理システム(Knowledge Management System: KMS)」の採用・開始するとされ、気候変動に対する取り組みがおこなわれています。(出典: Trinidad and Tobago Guardian)
バーレーンの天然ガス CO2排出量
2020年にバーレーンは天然ガスの利用により、一人当たり約18.12トンの二酸化炭素(CO2)が排出されています。1963年には0.53トン排出していて、17.59トン増加しています。
バーレーン エネルギー利用率
バーレーンは2020年に化石燃料の利用により、0.81EJのエネルギーを使用しています。石油が0.67EJで82.71%、天然ガスが0.13EJで16.04%になります。(出典: BP Statistical Review of World Energy 2020)

バーレーンのCO2削減の取り組み
バーレーンでは、自国で産出されている天然ガスの全てがバーレーン国内のエネルギーとして利用されています。天然ガスは国の電力の約50%に利用され、産業で利用された約33%の電力が天然ガスによるものです。また、精油所も天然ガスの大きな消費者であり、天然ガスの10%ほどが製油所によって利用されています。(出典: アメリカ政府)
ブルネイの天然ガス CO2排出量
2020年にバーレーンは天然ガスの利用により、一人当たり約17.21トンの二酸化炭素(CO2)が排出されています。1933年には0.11トン排出していて、17.1トン増加しています。
ブルネイ エネルギー利用率
ブルネイは2018年に化石燃料の利用により、155,948TJ(0.15EJ)のエネルギーを使用しています。石油が28,070TJで18%、天然ガスが127,877TJで82%、再生可能エネルギーが119TJで0.007%になります。(出典: International Renewable Energy Agency 2018)

ブルネイのCO2削減の取り組み
ブルネイは世界の温室効果ガス排出量の約0.025%ほどの排出量になりますが、一人当たりの排出量は非常に多くなっています。
ブルネイでは国内の平均気温が2016年に1.25度上昇、森林火災などが非常に多く発生しており、2021年から産業から排出される二酸化炭素排出量の報告を義務付けています。(出典: The Scoop)
アラブ首長国連邦の天然ガス CO2排出量
2020年にバーレーンは天然ガスの利用により、一人当たり約11.63トンの二酸化炭素(CO2)が排出されています。1967年には5.12トン排出していて、6.51トン増加しています。
アラブ首長国連邦 エネルギー利用率
アラブ首長国連邦は2020年に化石燃料の利用により、4.19EJのエネルギーを使用しています。石油が1.51EJで36.03%、天然ガスが2.51EJで59.90%、石炭が0.11EJで2.62%、原子力が0.01EJで0.23%、再生可能エネルギーが0.05EJで1.19%になります。(出典: BP Statistical Review of World Energy 2020)

アラブ首長国連邦のCO2削減の取り組み
アラブ首長国連邦では、2015年に開催された「COP21国連気候変動会議」で、2021年までに再生利用可能なエネルギーから電力の24%を生産する計画が発表されています。
2011年からはじまっている「グリーンビルディング計画(建物の緑化計画)」・効率の良いエネルギーの使用・適切な輸送方法・レクリエーションの実施など様々な温暖化に対する取り組みがは開始されています。(出典: アラブ首長国連邦政府)
まとめ
石油や石炭に比べ、天然ガスは温室効果ガスの排出が少なくなっています。天然ガスを多く産出しているロシアがヨーロッパや旧ソ連圏へ天然ガスの輸出をおこなっていますが、様々な問題が発生しています。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。