食品の生産には輸送・梱包・加工・小売り・調理・廃棄など非常に多くの工程があり、温室効果ガスが排出されます。
世界では食品(輸入・輸出品は含まない)により、どのくらい温室効果ガスが排出されているのでしょうか?
✔記事の内容
各国の食品から排出される温室効果ガスの排出量
世界の食品から排出される温室効果ガス
排出量ランキング
世界の食品から排出される温室効果ガス一人あたりの排出量世界一はミクロネシア、世界二位はコスタリカ、世界三位はチリです。

世界の食品から排出される温室効果ガスの排出量ランキング
Share of total greenhouse gas emissions that come from food
国 | 温室効果ガス 排出量 (%) 1990年 | 温室効果ガス 排出量 (%) 2015年 | |
1 | ミクロネシア連邦 (Micronesia) ![]() Population: 113,800 | 99.91 | 778.98 |
2 | コスタリカ (Costa Rica) ![]() Population: 5,047,600 | 82.18 | 666.10 |
3 | チリ (Chile) ![]() Population: 18,952,000 | 44.11 | 222.00 |
4 | リベリア (Liberia) ![]() Population: 4,937,400 | 95.12 | 219.34 |
5 | サモア (Samoa) ![]() Population: 197,100 | 90.83 | 108.55 |
6 | ベリーズ (Belize) ![]() Population: 390,400 | 138.01 | 107.51 |
7 | ウルグアイ (Uruguay) ![]() Population: 3,461,700 | 598.95 | 107.38 |
8 | ブルンジ (Burundi) ![]() Population: 11,530,600 | 88.07 | 107.03 |
9 | ルワンダ (Rwanda) ![]() Population: 12,627,000 | 44.83 | 106.43 |
10 | ボツワナ (Botswana) ![]() Population: 2,303,700 | 122.68 | 106.28 |
11 | ザンビア (Zambia) ![]() Population: 17,861,000 | 99.50 | 104.31 |
12 | ケニア (Kenya) ![]() Population: 52,574,000 | 87.60 | 104.22 |
13 | スーダン (Sudan) ![]() Population: 42,813,200 | 106.03 | 103.22 |
14 | マヨッテ(フランス) (Mayotte) Population: 227,164 | 105.60 | 102.13 |
15 | パラグアイ (Paraguay) ![]() Population: 7,044,600 | 105.57 | 100.50 |
16 | ニウエ (Niue) Population:1,600 | 198.36 | 99.98 |
17 | トカラ (Tokelau) Population: 1,353(2013年) | 99.93 | 99.95 |
18 | ミャンマー (Myanmar) ![]() Population: 54,045,400 | 97.67 | 99.73 |
19 | 北マリアナ諸島 (Northern Mariana Islands) Population: 51,170(2022年) | 98.91 | 99.38 |
20 | ガイアナ (Guyana) ![]() Population: 782,800 | 107.16 | 99.09 |
21 | マーシャル諸島 (Marshall Islands) ![]() Population: 58,800 | 99.09 | 98.56 |
22 | ソマリア (Somalia) ![]() Population: 15,442,900 | 97.63 | 97.86 |
23 | パプアニューギニア (Papua New Guinea) ![]() Population: 8,776,100 | 86.84 | 96.18 |
24 | チャド (Chad) ![]() Population: 15,946,900 | 93.49 | 95.67 |
25 | マリ (Mali) ![]() Population: 19,658,000 | 97.41 | 95.27 |
26 | ブルキナファソ (Burkina Faso) ![]() Population: 20,321,400 | 93.50 | 94.83 |
27 | タンザニア (Tanzania) ![]() Population: 58,005,500 | 98.84 | 93.56 |
28 | ツバル (Tuvalu) Population: 12,000(2020年) | 129.21 | 93.56 |
29 | マラウイ (Malawi) ![]() Population: 18,628,700 | 100.51 | 92.79 |
30 | エリトリア (Eritrea) ![]() Population: 3,497,100 | 83.24 | 92.38 |
31 | フォークランド諸島 (Falkland Islands) Population: 3,398(2016年) | 78.20 | 92.06 |
32 | ニジェール (Niger) ![]() Population: 23,310,700 | 92.32 | 90.90 |
33 | モーリタニア (Mauritania) ![]() Population: 4,525,700 | 89.91 | 90.15 |
34 | ギニア (Guinea) ![]() Population: 12,771,200 | 92.09 | 89.56 |
35 | コンゴ民主共和国 (Democratic Republic of the Congo) ![]() Population: 86,790,600 | 96.25 | 89.45 |
36 | スウェーデン (Sweden) ![]() Population: 10,036,400 | 89.76 | 89.18 |
37 | ニカラグア (Nicaragua) ![]() Population: 6,545,500 | 94.34 | 88.61 |
38 | バヌアツ (Vanuatu) ![]() Population: 299,900 | 78.66 | 87.66 |
39 | ギニアビサウ (Guinea-Bissau) ![]() Population: 1,920,900 | 92.61 | 87.49 |
40 | ウォリス・フツナ(フランス) Wallis-et-Futuna Population: 13,484(2008年) | 157.30 | 85.85 |
41 | カメルーン (Cameroon) ![]() Population: 25,876,400 | 90.74 | 84.37 |
42 | ニュージーランド (New Zealand) ![]() Population: 4,783,100 | 106.76 | 83.53 |
43 | ボリビア (Bolivia) ![]() Population: 11,513,100 | 89.20 | 83.38 |
44 | ナミビア (Namibia) ![]() Population: 2,494,500 | 89.22 | 83.01 |
45 | ウガンダ (Uganda) ![]() Population: 44,269,600 | 87.63 | 82.92 |
46 | フェロー諸島 (Faroe Islands) 53,358 (2021年) | 82.52 | 82.39 |
47 | セネガル (Senegal) ![]() Population: 16,296,400 | 88.29 | 81.97 |
48 | ガンビア (Gambia) ![]() Population: 2,347,700 | 146.00 | 80.80 |
49 | ブラジル (Brazil) ![]() Population: 211,049,500 | 98.61 | 80.69 |
50 | ソロモン諸島 (Solomon Islands) ![]() Population: 669,800 | 92.68 | 80.59 |
51 | カンボジア (Cambodia) ![]() Population: 16,486,500 | 94.29 | 80.53 |
日本 (Japan) ![]() Population: 125,810,000 | 16.45 | 15.53 | |
世界平均 | 43.57 | 33.65 |
https://www.nature.com/articles/s43016-021-00225-9
各国の食品から排出される温室効果ガスの排出量
食品別の温室効果ガスの記事はこちらになります。よろしかったらご覧ください。
ミクロネシアの食品から排出される
温室効果ガスの排出量
ミクロネシアは食品から排出される温室効果ガスは778.98%です。1990年には99.91%排出されていて、679.07%増加しています。
ミクロネシアはどんな国?
ミクロネシア連邦ニュージーランドの北に位置し、600を超える島々を含む4つの州で構成されています。最高気温と最低気温の変動が小さく、最も暑い月と最も涼しい月の間で1.5℃未満で、非常に過ごしやすい気候になります。ミクロネシアではモンスーン(季節風)が吹き、干ばつ・台風・暴風雨・洪水・地滑などの災害が発生します。(COP23 Fiji)
ミクロネシアの気候変動
ミクロネシアの気候変動による最大の問題は海面上昇です。90年以内にミクロネシアの海面上昇が3フィート(0.9メートル)上昇すると予想されていて、最大で6.5フィート(1.9メートル)上昇する恐れがあります。(出典: COP23 Fiji)
海面上昇は島国にとって非常な大きな問題です。この問題に対しては対策が難しく、地球の温度上昇を止める必用があります。
ミクロネシアの農業
ミクロネシア連邦は農業・漁業が盛んで、ミクロネシアの経済を支えています。主な生産品はブレッドフルーツ・バナナ・サトイモ・ヤムイモなどが生産され、黒コショウや嗜好品のビンロウなども生産されています。
コスタリカの食品から排出される
温室効果ガスの排出量
コスタリカは食品から排出される温室効果ガスは666.10%です。1990年には82.18%排出されていて、583.92%増加しています。
コスタリカの気候変動
コスタリカでは気候変動による海面上昇、海水温の上昇や災害の発生による両生類や海洋生物を脅かす可能性があります。
コスタリカの農業と温室効果ガス
コスタリカの温室効果ガス排出量の28%が畜産業により発生しています。コスタリカでは「家畜に対する全国的に適切な緩和行動」(Nationally Appropriate Mitigation Action(NAMA)) というプロジェクトの下で、2030年までにメタンなどの温室効果ガスの削減が掲げられています。このプロジェクトは効率的で継続可能な生産を行いながら脱炭素化を行うというもので、その他の産業でも取り入れられています。(出典: Climate & Clean Air Coalition)
特にコスタリカを代表する「コーヒー」などの脱炭素化が進められています。
チリの食品から排出される
温室効果ガスの排出量
チリは食品から排出される温室効果ガスは222.00%です。1990年には44.11%排出されていて、177.89%増加しています。
チリはどんな国?
チリは南米の国で、北から南まで4630キロメートルに及びます。日本は北から南まで約3500キロで、1.32倍の長さになります。国内の中で様々な気候が存在していて、気候変動と思われる災害も増加しています。
チリの温室効果ガス
チリでは二酸化炭素が温室効果ガス排出量の最大の構成要素であり、2010年の総排出量の77%が二酸化炭素によるものです。(IEA 2015年)
メタン(CH4)と亜酸化窒素(N2O)の排出は主に農業から発生していて、2010年の温室効果ガスの排出量23%が農業によって排出されています。(出典: OECD)
リベリアの食品から排出される
温室効果ガスの排出量
リベリアは食品から排出される温室効果ガスは219.34%です。1990年には95.12%排出されていて、124.22%増加しています。
リベリアはどんな国?
西アフリカに位置し、北にギニア、西にシエラレオネ、東にコートジボワールと国境を接しています。リベリアは「米」が主食とされていますが、「キャッサバ」や「サツマイモ」なども非常に多く消費されています。キャッサバの生産量は2019年に37位で、558,222トン生産されています。
世界でキャッサバの生産量の記事はこちらになります。よろしかったらご覧ください。
リベリアの温室効果ガス
リベリアでは2000年に非常に多くのメタン(CH4)が排出されており、二酸化炭素(CO2)の量を超えています。排出量はメタンが51.6%・二酸化炭素が44.5%・亜酸化窒素が3.9%になります。「フロンガス」などの排出も含まれていて、大きな問題になっています。(出典: 国連)
サモアの食品から排出される
温室効果ガスの排出量
サモアは食品から排出される温室効果ガスは108.55%です。1990年には90.83%排出されていて、17.72%増加しています。
サモアはどんな国?
サモアはニュージーランドの北に位置する島国です。「タロイモ」などを生産していますが、食料自給率は非常に低くなっています。海外に出稼ぎに出た人からの送金などが国内の経済を支えています。
サモアの温室効果ガス
2016年のサモアの二酸化炭素排出量は169,939トンです。
まとめ
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。