飛行機は燃料を化石燃料に依存しているため、非常に多くの二酸化炭素が排出しています。
世界の国内便の使用や荷物の輸送により、どのくらい二酸化炭素が排出されているのでしょうか?
✓今回の記事内容
各国の飛行機による二酸化炭素排出量(国内便のみ)
世界の飛行機による二酸化炭素排出量(国内便)
世界の一人当たりの飛行機(国内便のみ)二酸化炭素の排出量世界一アメリカ、世界二位はオーストラリア、世界三位はノルウェーです。

世界の飛行機 二酸化炭素排出量(国別一人当たり)(国内線のみ)
Per capita CO2 emissions from domestic aviation
国 | 二酸化炭素 排出量 (一人当たり) (kg) 2018年 | |
1 | アメリカ (America) ![]() Population: 335,624,927 | 385.52 |
2 | オーストラリア (Australia) ![]() Population: 25,203,200 | 267.17 |
3 | ノルウェー (Norway) ![]() Population: 5,378,900 | 209.23 |
4 | ニュージーランド (New Zealand) ![]() Population: 4,783,100 | 174.19 |
5 | カナダ (Canada) ![]() Population: 37,411,000 | 168.27 |
6 | 日本 (Japan) ![]() Population: 125,810,000 | 73.96 |
7 | アイスランド (Iceland) ![]() Population: 339,000 | 71.32 |
8 | チリ (Chile) ![]() Population: 18,952,000 | 70.46 |
9 | フランス (France) ![]() Population: 65,129,700 | 69.67 |
10 | サウジアラビア (Saudi Arabia) ![]() Population: 34,268,500 | 65.24 |
11 | ロシア (Russia) ![]() Population: 145,872,300 | 63.34 |
12 | スペイン (Spain) ![]() Population: 46,736,800 | 61.58 |
13 | マレーシア (Malaysia) ![]() Population: 31,949,800 | 60.29 |
14 | スウェーデン (Sweden) ![]() Population: 10,036,400 | 54.77 |
15 | フィジー ((Fiji) ![]() Population: 890,000 | 52.36 |
16 | 中国 (China) ![]() Population: 1,406,473,280 | 45.21 |
17 | ポルトガル (Portugal) ![]() Population: 10,226,200 | 42.95 |
18 | ブラジル (Brazil) ![]() Population: 211,049,500 | 42.86 |
19 | トルコ (Turkey) ![]() Population: 83,429,600 | 42.42 |
20 | メキシコ (Mexico) ![]() Population: 120,575,500 | 39.93 |
21 | ギリシャ (Greece) ![]() Population: 10,473,500 | 38.82 |
22 | フィンランド (Finland) ![]() Population: 5,532,200 | 37.48 |
23 | タイ (Thailand) ![]() Population: 69,625,600 | 37.25 |
24 | イタリア (Italy) ![]() Population: 60,550,100 | 37.13 |
25 | アルゼンチン (Argentine) ![]() ![]() Population: 44,780,700 | 34.83 |
26 | カザフスタン (Kazakhstan) ![]() Population: 18,551,400 | 34.50 |
27 | インドネシア (Indonesia) ![]() Population: 274,522,988 | 34.39 |
28 | デンマーク (Denmark) ![]() Population: 5,771,900 | 32.01 |
29 | コロンビア (Colombia) ![]() Population: 50,339,400 | 30.82 |
30 | ペルー (Peru) ![]() Population: 32,510,500 | 29.50 |
31 | オランダ (Netherlands) ![]() Population: 17,097,100 | 27.70 |
32 | 韓国 (Korea) ![]() Population: 51,225,300 | 27.65 |
33 | ボリビア (Bolivia) ![]() Population: 11,513,100 | 27.09 |
34 | 南アフリカ共和国 (South Africa) ![]() Population: 58,558,300 | 25.09 |
35 | ベトナム (Vietnam) ![]() Population: 96,462,100 | 23.59 |
36 | イギリス (U.K) ![]() Population: 67,530,200 | 22.48 |
37 | イラン (Iran) ![]() Population: 82,913,900 | 21.38 |
38 | パプアニューギニア (Papua New Guinea) ![]() Population: 8,776,100 | 20.13 |
39 | オマーン (Oman) ![]() Population: 4,975,000 | 19.10 |
40 | ドイツ (Germany) ![]() Population: 83,517,000 | 18.38 |
41 | トリニダード・トバゴ (Trinidad and Tobago) ![]() Population: 1,395,000 | 16.57 |
42 | フィリピン (Philippines) ![]() Population: 108,116,600 | 16.18 |
43 | トルクメニスタン (Turkmenistan) ![]() Population: 5,942,100 | 12.91 |
44 | エクアドル (Ecuador) ![]() Population: 17,373,700 | 12.56 |
45 | ナミビア (Namibia) ![]() Population: 2,494,500 | 11.49 |
46 | モーリシャス (Mauritius) ![]() Population: 1,269,700 | 8.75 |
47 | クロアチア (Croatia) ![]() Population: 4,130,300 | 8.12 |
48 | インド (India) ![]() Population: 1,402,862,229 | 7.97 |
49 | パナマ (Panama) ![]() Population: 4,246,400 | 7.72 |
50 | ケニア (Kenya) ![]() Population: 52,574,000 | 7.10 |
51 | イスラエル (Israel) ![]() Population: 8,519,400 | 6.82 |
52 | アルジェリア (Armenia) ![]() Population: 43,053,100 | 4.43 |
世界平均 | 39.73 |
https://theicct.org/publications/co2-emissions-commercial-aviation-2018
各国の飛行機 二酸化炭素排出量(国内便)
2016年に世界で二酸化炭素(CO2)は36,702,180,000トン排出されています。温室効果ガスは世界全体で50,610,000,000トン排出されていて、72.51%が二酸化炭素によるものです。

世界の航空・荷物の輸送による温室効果ガス排出量ランキングの記事はこちらになります。
アメリカの飛行機 二酸化炭素排出量
(国別一人当たり)(国内線のみ)
2018年のアメリカの国内便による二酸化炭素の排出量は一人当たり385.52㎏です。
アメリカの国内の飛行機の利用
アメリカで航空機による排出量が多い州は、第一位がカリフォルニア州で35ミリオントン(3500万トン)、第二位はテキサス州・ニューヨーク州・フロリダ州で17ミリオントン(1700万トン)、第5位がイリノイ州で11ミリオントン(1100万トン)です。北米では移動に航空機が利用される事が多く、アクセスが難しい州の利用が多くなっています。(DSAT for MSFT, GeoNames, Tom Tom 2019年)
アメリカの飛行機によるCO2の削減
2021年、米国環境保護庁(EPA)は、2016年に国際民間航空機関(ICAO)によって採用されたCO2の排出に関する国際基準に厳密に従う最終決定しました。2019年に納入された航空機は、ICAOの基準を6%超えてCO2を排出しています。2020年に米国基準が提案された後、航空機・航空機エンジンメーカー・アメリカの12の州・コロンビア特別区からの温室効果ガス排出量を削減しないことが発表されています。
オーストラリアの飛行機 二酸化炭素排出量
(国別一人当たり)(国内線のみ)
2018年のオーストラリアの国内便による二酸化炭素の排出量は一人当たり267.17㎏です。
オーストラリアの国内の飛行機の利用
2016年のオーストラリアの飛行機による二酸化炭素ほ排出量は22.02ミリオントン(2200万トン)です。国際線の飛行機により12.02ミリオントン(1200万トン)排出され、国内線により9.99ミリオントン(999万トン排出されています。)(出典: オーストラリア政府)
オーストラリアの飛行機によるCO2の削減
オーストラリアの航空会社は、燃料効率の高い航空機を導入しています。キャビンに導入される道具の軽量化、地上走行時間の短縮など、燃料の使用を抑えるためにさまざまな改善がおこなわれています。
オーストラリアの「カンタス航空」「ジェットスター航空」「ヴァージンオーストラリア航空」は、乗客が「カーボンオフセット」を購入できるようにする特別なプログラムを導入しています。(出典: オーストラリア政府)
カーボンオフセットとは?
二酸化炭素の排出削減が難しい分野において「森林の保護活動」「植林活動」「クリーンエネルギー」などに力を入れる企業へ資金提供などをおこない、排出した二酸化炭素の埋め合わせをします。
ノルウェーの飛行機 二酸化炭素排出量
(国別一人当たり)(国内線のみ)
2018年のノルウェーの国内便による二酸化炭素の排出量は一人当たり209.23㎏です。
ノルウェーの国内の飛行機の利用
2020年のノルウェーの飛行機による二酸化炭素ほ排出量は7.3ミリオントン(730万トン)です。(出典: Statistics Norway)
ノルウェーの飛行機によるCO2の削減
ノルウェーは、2030年までにCO2排出量を45%削減(2010年比較)することを目標にしています。持続可能な燃料の使用を増加させる事により、2030年までに最大5億リットルの持続可能な燃料を利用する事を目標にしています。(出典: Norwegian Air)
ニュージーランドの飛行機 二酸化炭素排出量
(国別一人当たり)(国内線のみ)
2018年のニュージーランドの国内便による二酸化炭素の排出量は一人当たり174.19㎏です。
ニュージーランドの国内の飛行機の利用
2016年のニュージーランドの飛行機による二酸化炭素ほ排出量は5.0ミリオントン(500万トン)です。1990年には2.3ミリオントン(230万トン)排出していて、2.17倍増加しています。(出典: Newsroom)
ニュージーランドの飛行機によるCO2の削減
ニュージーランドも持続可能な燃料を飛行機に利用する事で、二酸化炭素排出量を最大85%削減できる可能性があります。しかし、ニュージーランドでは持続可能な燃料の利用はされていません。
ニュージーランドも持続可能な燃料を飛行機に利用する事で、二酸化炭素排出量を最大85%削減できる可能性があります。しかし、ニュージーランドでは現在、持続可能な燃料の利用ありません。(出典: Air New zealand)
持続可能な燃料の供給を確立するためには、大きな初期投資と継続的な生産を行なうには莫大なコストがかかります。これにより、飛行機の利用料金などが上昇する恐れがあり、安さを売りとする「LCC」など価格競争が激しい航空会社では非常に難しい判断を迫られます。
カナダの飛行機 二酸化炭素排出量
(国別一人当たり)(国内線のみ)
2018年のカナダの国内便による二酸化炭素の排出量は一人当たり168.27㎏です。
カナダの国内の飛行機の利用
2018年のカナダの飛行機による温室効果ガスの排出量(二酸化炭素を含む)は22.04ミリオントン(2200万トン)です。国際線の飛行機により15.23ミリオントン(1523万トン)排出され、国内線により6.81ミリオントン(681万トン排出されています。)(出典: カナダ政府)
カナダの飛行機によるCO2の削減
カナダの航空業界は、2005年以来、気候変動の問題に対し温室効果ガス排出量削減に向けた新技術の採用・運用改善・クリーンエネルギーなどに投資するなど様々な対策が実施されています。
持続可能な航空燃料の利用を行うための研究開発にも焦点が当てられ、持続可能な燃料への切り替えが少しずつおこなわれると思われます。(出典: カナダ政府)
まとめ
持続可能な燃料への切り替えが始まったのは近年になってからです。サトウキビを利用したバイオジェット燃料や廃棄された食用油の利用が注目を浴びています。これらの燃料は二酸化炭素を排出しますが、化石燃料と違い環境に優しいとされています。航空業界が厳しい今、持続可能な燃料の利用により更に難しい判断が求めらています。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。