Life News

世界のCO2排出量(消費ベース)

 二酸化炭素の排出量は基本的に「生産量」から算出されます。つまり、生産を海外に「委託」している国の二酸化炭素の排出が多くなります。

 では、世界の「自国の消費」された物によるCO2の排出量はどれくらいなのでしょうか?

今回の記事内容

世界で消費された物によるCO2排出量ランキング
各国の消費された物によるCO2排出量

世界で消費された物によるCO2排出量

世界で消費された物による物によるCO2排出量世界一は中国世界二位はアメリカ世界三位はインドです。

世界のCO2排出量(消費ベース)
Annual consumption-based CO₂ emissions

CO2
排出量
(t)
2020年
一人
あたり
排出量
(t)
2020年
1中国
(China)
Population: 1,406,473,280
9,440,000,000
2019年
6.71
2アメリカ
(America)
Population: 335,624,927
5,630,000,00016.77
3インド
(India)
Population: 1,402,862,229
2,410,000,000
2019年
1.71
4ロシア
(Russia)
Population: 145,872,300
1,430,000,000
2019年
9.80
5日本
(Japan)
Population: 125,810,000
1,290,000,000
2019年
10.25
6ドイツ
(Germany)
Population: 83,517,000
824,740,000
2019年
9.87
7イラン
(Iran)
Population: 82,913,900
724,930,000
2019年
8.74
8韓国
(Korea)
Population: 51,225,300
697,410,000
2019年
13.61
9インドネシア
(Indonesia)
Population: 274,522,988
673,360,000
2019年
2.45
10サウジアラビア
(Saudi Arabia)
Population: 34,268,500
645,400,000
2019年
18.83
11カナダ
(Canada)
Population: 37,411,000
575,410,000
2019年
15.38
12イギリス
(U.K)
Population: 67,530,200
520,700,000
2019年
7.71
13ブラジル
(Brazil)
Population: 211,049,500
503,980,000
2019年
2.38
14メキシコ
(Mexico)
Population: 120,575,500
455,340,000
2019年
3.77
15イタリア
(Italy)
Population: 60,550,100
450,150,000
2019年
7.43
16フランス
(France)
Population: 65,129,700
422,200,000
2019年
6.48
17トルコ
(Turkey)
Population: 83,429,600
398,700,000
2019年
4.77
18オーストラリア
(Australia)
Population: 25,203,200
375,460,000
2019年
14.89
19南アフリカ共和国
(South Africa)
Population: 58,558,300
336,700,000
2019年
5.74
20ポーランド
(Poland)
Population: 37,887,800
283,260,000
2019年
7.47
21タイ
(Thailand)
Population: 69,625,600
281,120,000
2019年
4.03
22台湾
(Taiwan)
Population: 23,600,900
274,780,000
2019年
11.64
23スペイン
(Spain)
Population: 46,736,800
272,500,000
2019年
5.83
24マレーシア
(Malaysia)
Population: 31,949,800
266,080,000
2019年
8.32
25パキスタン
(Pakistan)
Population: 216,565,300
239,590,000
2019年
1.10
26ベトナム
(Vietnam)
Population: 96,462,100
233,280,000
2019年
2.41
27カザフスタン
(Kazakhstan)
Population: 18,551,400
228,600,000
2019年
12.32
28エジプト
(Egypt)
Population:100,388,100
226,890,000
2019年
2.26
29ウクライナ
(Ukraine)
Population: 43,993,600
214,500,000
2019年
4.87
30アラブ首長国連邦
(AUE)
Population: 9,770,500
201,760,000
2019年
20.64
31ベルギー
(Belgium)
Population: 11,539,300
171,540,000
2019年
14.86
32アルゼンチン
(Argentine)
Population: 44,780,700
166,600,000
2019年
3.72
33フィリピン
(Philippines)
Population: 108,116,600
164,250,000
2019年
1.51
34オランダ
(Netherlands)
Population: 17,097,100
147,950,000
2019年
8.65
35ナイジェリア
(Nigeria)
Population: 200,963,600
130,370,000
2019年
0.64
36ベネズエラ
(Venezuela)
Population: 28,515,800
120,540,000
2019年
4.22
37スイス
(Switzerland)
Population: 8,591,400
116,050,000
2019年
13.50
38バングラデシュ
(Bangladesh)
Population: 163,046,200
115,670,000
2019年
0.70
39シンガポール
(Singapore)
Population: 5,804,300
110,920,000
2019年
19.10
40香港
(Hong Kong)
Population: 2,303,700
108,230,000
2019年
46.98
41チェコ
(Czech)
Population: 10,689,200
103,510,000
2019年
9.68
42コロンビア
(Colombia)
Population: 50,339,400
100,550,000
2019年
1.99
43チリ
(Chile)
Population: 18,952,000
93,650,000
2019年
4.94
44オーストリア
(Ausria)
Population: 8,955,100
91,620,000
2019年
10.23
45クウェート
(Kuwait)
Population: 4,207,100
89,690,000
2019年
21.31
46イスラエル
(Israel)
Population: 8,519,400
79,640,000
2019年
9.34
47カタール
(Qatar)
Population: 2,832,100
76,700,000
2019年
27.82
48ルーマニア
(Romania)
Population: 19,364,600
76,690,000
2019年
3.96
49モンゴル
(Mongolia)
Population: 3,225,200
73,370,000
2019年
22.74
50モロッコ
(Morocco)
Population: 36,471,800
68,590,000
2019年
1.88
51スウェーデン
(Sweden)
Population: 10,036,400
67,890,000
2019年
6.76
52ハンガリー
(Hungary)
Population: 9,684,700
65,460,000
2019年
6.75
世界
Population:7,874,965,732
34,810,000,000
2020年
4.42
出典: Global Carbon Budget - Global Carbon Project 年2021
https://doi.org/10.18160/gcp-2021

各国の消費された物によるCO2排出量


 2019年、消費による二酸化炭素の排出量は、世界全体で34,810,000,000トン排出されています。2021年、世界人口は、7,874,965,732人で、一人あたり4.42トンの二酸化炭素を排出しています。

 排出量は「人口」が多い国は増加しますので、一人当たりの消費量も照らし合わせてご覧ください。

中国の消費された物によるCO2排出量


 中国の消費にされた物によるCO2の排出量は、9,440,000,000トンです。世界で排出されるCO2の27.11%がアメリカの消費された物によりCO2が排出しています。

CO2の増加が止まった中国


 中国のCO2排出量は2002年から劇的に増加しましたが、2012年以降は徐々に横ばい状態になりました。2012年以降も経済成長は続いていて、「経済成長」と「炭素の排出量」を切り離すという、理想的な社会になっています。この状態は、「ニューノーマル」と呼ばれています。(出典: Heran Zheng 2020年)

 二酸化炭素の増加を緩やかにしている要因は中国の「技術指導」によるもので、「炭素を多く排出する企業」「炭素の排出が少ない企業」のギャップが小さくなってきています。

 また、炭素効率の高い商品を国内に輸入するなど再調整を行い、炭素の排出量の多い生産を他の地域で生産する事により、炭素の低排出化に繋がったとも推測されています。(出典: Jiali Zheng 2019年)

世界最大のCO2排出国


 中国のCO2の排出量は二位のアメリカと比べても非常に大きな差があり、一人当たりの排出量も世界の平均値を超えています。将来的に中国は人口増加の頭打ちにともない、二酸化炭素の排出量は減少すると思われます。

アメリカの消費された物によるCO2排出量


 アメリカの消費にされた物によるCO2の排出量は、5,630,000,000トンです。世界で排出されるCO2の16.17%がアメリカの消費された物によりCO2が排出しています。

一人当たりのCO2排出量が非常に高いアメリカ


 米国は一人当たりのCO2排出量が非常に高く、中国の約2.5倍・日本の約1.6倍になります。米国と中国の関係は非常に悪化していますが、米国は中国から非常に多くの物を輸入しています。消費ベースのCO2では、中国などで生産された物が米国国内でされる事により、CO2の排出量に換算されます。

CO2炭素強度


 炭素強度とは、国内で排出される二酸化炭素量を一次エネルギー総供給で割った値になります。ロシア・中国・インドは輸出量が非常に高く、アメリカ・日本・ヨーロッパなどは輸入量が多くなっています。

貿易の炭素強度
: 輸出 (Export)
: 輸入(Import)

出典: 米国科学アカデミー 2010年

インドの消費された物によるCO2排出量


 インドの消費にされた物によるCO2の排出量は、2,410,000,000トンです。世界で排出されるCO2の6.92%がインドの消費された物によりCO2が排出しています。

人口増加とCO2排出量の増加


 インドは一人当たりのCO2排出量は中国の約1/4・米国の1/10と低レベルですが、増加する人口と、Catch-up effect(キャッチアップ効果⦅貧しい国の成長は先進国を凌ぐ速さなど⦆)により、炭素の排出量が今後大きく増加すると予想されます。

 インドでは都市部に人口の32%が住んでいます。2050年までにインドの地方が都市化・工業化され、さらなるCO2の排出が増加すると思われます。

インドのCO2低減化


 インドは、2030年までに炭素の排出量を、GDPの比による炭素の排出量の33〜35%削減(2005年比)することを約束しています。これに伴い、気候変動に関するNational Action Plan for Climate Change(NAPCC⦅気候変動に対して国家がおこなう行動計画⦆)を実施し、様々な対策が決定されています。対策のには炭素強度の低減なども含まれ、インド全土で炭素低減に向けての取り組みがおこなわれます。(S.S.Chandel 2015年)

ロシアの消費された物によるCO2排出量


 ロシアでは消費にされた物によるCO2の排出量は、1,430,000,000トンです。世界で排出されるCO2の4.10%がロシアの消費された物によりCO2が排出しています。

ロシアの炭素強度


 ロシアの貿易による炭素強度は、国内に輸入される物の二倍以上を輸出していますが、一人当たりのCO2排出量は高く、世界平均の2倍以上になっています。

ロシアのCO2低減化


 ロシアはCO2排出量を2050年までに1990年と比べ36%削減し、20億トンのCO2の削減を目標に掲げています。

 ロシアはCO2の低減目標指標を設定し、エネルギー・建設業・住宅および共同サービス・製造業・運送業・生産および消費廃棄物管理・農業・林業などに従事する各業界は、報告書を提出する必要があります。

日本の消費された物によるCO2排出量


 日本では消費にされた物によるCO2の排出量は、1,290,000,000トンです。世界で排出されるCO2の3.70%が日本の消費された物によりCO2が排出しています。

CO2の排出量(都道府県別)


都道府県別CO2排出量 (1,000t)

CO2
排出量
合計
産業業務
その他
家庭運輸一般
廃棄物
北海道52,75118,66810,37213,2839,939489
青森県12,8774,8071,9323,1302,853154
岩手県10,0593,1461,8872,2492,575202
宮城県17,3895,9283,7003,2994,162299
秋田県8,0772,4511,4491,9622,077138
山形県7,7402,1021,4241,8162,255143
福島県14,9284,8372,7653,0514,001272
茨城県39,35824,4254,0894,1526,276417
栃木県14,7745,4032,6112,5733,921267
群馬県14,3174,7302,5032,6584,139287
埼玉県35,8408,4068,1459,1459,317827
千葉県67,35241,8288,6937,1828,875774
東京都65,4755,72530,30417,19610,4471,803
神奈川県59,29526,10912,14310,6869,439919
新潟県18,9157,0303,2723,7514,617245
山梨県5,4881,2611,1181,1861,807117
静岡県26,6489,8694,9114,7666,650452
富山県10,0534,0671,6652,1302,077114
石川県8,5622,2441,9372,1532,104124
福井県7,6602,9211,2231,7751,64695
長野県14,2673,2042,7563,4954,641171
岐阜県14,3554,9932,5932,5903,894285
愛知県66,96134,40210,8098,82912,095825
三重県21,97613,0382,6132,4623,693170
滋賀県9,1663,5401,5321,5112,393190
京都府12,2232,7743,2982,6813,182288
大阪府42,77311,02011,6379,4989,2911,327
兵庫県48,17729,4365,7894,7827,423748
奈良県5,6737341,4091,4651,898168
和歌山県14,56210,4111,0101,0731,932136
鳥取県4,0509619179691,14954
島根県5,9432,0611,2161,1781,43156
岡山県40,90431,0422,9622,7093,936254
広島県46,50731,6325,2004,4854,964226
山口県29,59622,0042,1882,4642,803137
徳島県5,9032,1011,0471,1041,57973
香川県9,1543,8821,4531,4492,28289
愛媛県16,7859,9231,8941,8852,937146
高知県5,5792,2219718421,47076
福岡県38,38018,9916,5644,0128,259554
佐賀県4,9291,5498627631,655100
長崎県4,9291,5498627631,655100
熊本県10,0472,7552,7551,7403,488214
大分県26,01420,6961,3751,2032,587153
宮崎県7,8663,1491,3139812,3732,373
鹿児島県9,5821,6711,8541,5394,3694,369
沖縄県10,8911,4164,2592,2032,795218
合計:1,026,622456,759187,058167,350200,27015,186
出典: 環境省 2018年
https://www.env.go.jp/policy/local_keikaku/tools/suikei.html

日本のCO2排出量の特徴


 一人当たりのCO2排出量が多い都市は日本の東北や北海道が多く、暖房の燃料などによるCO2の排出が多くなっています。

まとめ


 世界のCO2排出量(消費ベース)は先進国が多くなっています。先進国は製品の生産を発展途上国に委託している事が多く、生産ベースでは発展途上国のCO2排出量が多くなっています。CO2の排出量を減少させるには、生産段階から削減に取り組む必要があり、先進国と発展途上国の協力が必要になります。

 今回は以上です。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

-Life, News