日本では「15歳以下の労働」は「児童労働」になり、例外がありますが、基本的に禁止されています。世界には多くの貧困地域が存在し、子供が労働に従事しなければならない状況が非常に多く存在しています。
世界で、15歳以下の労働(7歳~14歳)に従事している割合はどれくらいなのでしょうか?
✔ 記事の内容
各国の子供が労働する割合
世界の子供が労働する割合ランキング
世界の子供が労働する割合世界一はギニアビサウ、世界二位はカメルーン、世界三位はシエラレオネです。

世界の子供が労働する割合ランキング
Children in employment
国 | 子供の労働率 (7~14歳) (%) 2016年 | |
1 | ギニアビサウ (Guinea-Bissau) ![]() Population: 1,920,900 | 63.92 2014年 |
2 | カメルーン (Cameroon) ![]() Population: 25,876,400 | 62.00 2011年 |
3 | シエラレオネ (Sierra Leone) ![]() Population: 7,813,200 | 59.20 2013年 |
4 | チャド (Chad) ![]() Population: 15,946,900 | 55.90 2015年 |
5 | ブルキナファソ (Burkina Faso) ![]() Population: 20,321,400 | 50.30 2010年 |
6 | マラウイ (Malawi) ![]() Population: 18,628,700 | 48.90 2015年 |
7 | ニジェール (Niger) ![]() Population: 23,310,700 | 48.50 2012年 |
8 | ニカラグア (Nicaragua) ![]() Population: 6,545,500 | 47.75 2012年 |
9 | 南スーダン (South Sudan) ![]() Population: 11,062,100 | 45.60 2008年 |
10 | ソマリア (Somalia) ![]() Population: 15,442,900 | 43.50 2006年 |
11 | ネパール (Nepal) ![]() Population: 28,608,700 | 42.83 2014年 |
12 | コンゴ民主共和国 (Democratic Republic of the Congo) ![]() Population: 86,790,600 | 41.39 2014年 |
13 | クルディスタン (Kurdistan) ![]() Population: 5,145,900 | 41.08 2014年 |
14 | ギニア (Guinea) ![]() Population: 12,771,200 | 38.10 2012年 |
15 | ハイチ (Haiti) ![]() Population: 11,263,100 | 37.80 2012年 |
16 | 中央アフリカ (Central African Republic) ![]() Population: 4,745,200 | 37.20 2010年 |
17 | ウガンダ (Uganda) ![]() Population: 44,269,600 | 36.70 2012年 |
18 | コートジボワール (Ivory Coast) ![]() Population: 25,716,500 | 36.50 2012年 |
19 | トーゴ (Togo) ![]() Population: 8,082,400 | 35.23 2014年 |
20 | ナイジェリア (Nigeria) ![]() Population: 200,963,600 | 35.06 2011年 |
21 | タンザニア (Tanzania) ![]() Population: 58,005,500 | 34.73 2014年 |
22 | ケニア (Kenya) ![]() Population: 52,574,000 | 34.44 2009年 |
23 | ザンビア (Zambia) ![]() Population: 17,861,000 | 34.40 2008年 |
24 | ブルンジ (Burundi) ![]() Population: 11,530,600 | 31.90 2010年 |
25 | ジョージア (Georgia) ![]() Population: 3,996,800 | 31.80 2006年 |
26 | コンゴ共和国 (Republic of the Congo) ![]() Population: 5,380,500 | 31.50 2012年 |
27 | スーダン (Sudan) ![]() Population: 42,813,200 | 30.56 2014年 |
28 | アンゴラ (Angola) ![]() Population: 31,825,300 | 30.10 2001年 |
29 | マリ (Mali) ![]() Population: 19,658,000 | 29.70 2013年 |
30 | モルドバ (Moldova) ![]() Population: 4,043,300 | 29.00 2009年 |
31 | ガーナ (Ghana) ![]() Population: 30,417,900 | 28.76 2012年 |
32 | 南アフリカ共和国 (South Africa) ![]() Population: 58,558,300 | 27.70 1999年 |
33 | モザンビーク (Mozambique) ![]() Population: 30,366,000 | 27.40 2008年 |
34 | エチオピア (Ethiopia) ![]() Population: 112,078,700 | 26.10 2011年 |
35 | マダガスカル (Madagascar) ![]() Population: 26,969,300 | 26.00 2007年 |
36 | セネガル (Senegal) ![]() Population: 16,296,400 | 25.14 2015年 |
37 | ベナン (Benin) ![]() Population: 11,801,200 | 24.10 2012年 |
38 | ガボン (Gabon) ![]() Population: 2,172,600 | 24.00 2012年 |
39 | ガンビア (Gambia) ![]() Population: 2,347,700 | 23.75 2015年 |
40 | ペルー (Peru) ![]() Population: 32,510,500 | 22.57 2015年 |
41 | 東ティモール (East Timor) ![]() Population: 1,293,100 | 19.90 2007年 |
42 | 北マケドニア (North Macedonia) ![]() Population: 2,083,500 | 19.80 2011年 |
43 | リベリア (Liberia) ![]() Population: 4,937,400 | 18.40 2010年 |
44 | セルビア (Serbia) ![]() Population: 8,772,200 | 17.94 2014年 |
45 | イエメン (Yemen) ![]() Population: 29,161,900 | 16.10 2010年 |
46 | ナミビア (Namibia) ![]() Population: 2,494,500 | 15.44 1999年 |
47 | タイ (Thailand) ![]() Population: 69,625,600 | 15.10 2006年 |
48 | モンゴル (Mongolia) ![]() Population: 3,225,200 | 14.70 2013年 |
49 | モーリシャス (Mauritius) ![]() Population: 1,269,700 | 14.53 2011年 |
50 | ジンバブエ (Zimbabwe) ![]() Population: 14,645,500 | 14.30 1999年 |
51 | ボリビア (Bolivia) ![]() Population: 11,513,100 | 13.92 2015年 |
52 | エスワティニ (Eswatini) ![]() Population: 1,148,100 | 13.30 2010年 |
http://data.worldbank.org/data-catalog/world-development-indicators
各国の子供が労働する割合
アフリカ諸国の児童の労働率が非常に高く、アジアではネパール、ヨーロッパ圏からはジョージア、セルビアなどが高い児童の労働率になっています。
ギニアビサウの子供が労働する割合
西アフリカに位置するギニアビサウで児童が労働する割合は63.92%で、半数以上の児童が農業などの労働に従事しています。
ギニアビサウの歴史
ギニアビサウは100を超える島国で構成され、そのうちの20の島々に人が住んでいます。非常に貧しい国の一つで、国内総生産(GDP)は世界で最も低い国の一つです。1973年にポルトガルから独立しましたが、紛争、クーデター、クーデター未遂が発生し、現在も国内の情勢は安定していません。
ギニアビサウの児童教育
2019年、ギニアビサウで小学校を卒業したのは子供全体の27.2%で、「教育を受けた子供」の数が非常に少なくなっています。そのうちの10%が都市部、36%が農村部から通学していました。ギニアビサウではインフラの整備が整っておらず、農村部から学校へ通学するために非常に長い荒れた道のりを歩く必要があります。
ギニアビサウの児童労働
ギニアビサウの児童は「家庭に食料を購入」するために労働しています。教育を受けていない児童は劣悪な環境で、非常に低賃金で労働しています。女児は長時間労働に従事している事が多く、男児は、農業・修理・製材所・大工作業などに従事している事が多くなっています。
カメルーンの子供が労働する割合
中南西のアフリカに位置するカメルーンで児童が労働する割合は62.00%で、半数以上の児童が労働に従事しています。
カメルーンは人口が多い国
カメルーンは2600万人を超える人口で、240の民族を持ち、様々な言語が存在している国の一つです。公用語は英語・フランス語・ドイツ語に設定されています。
カメルーンの国内情勢
カメルーンは「ボコ・ハラム」による「イスラム教徒の独立運動」を行なっており、国内で紛争が続いています。現在もボコ・ハラムによる攻撃は継続されていて、カメルーンでは軍事力を強化するなどの対策をおこなっています。
カメルーンの教育
カメルーンでは子供が「無料で教育を受ける」事が可能ですが、「フランス語」と「英語」を利用する人々の間にわだかまりが存在し、時に暴力に発展します。教師によるストライキなども多く、解決しなくてはいけない問題が多く存在します。
カメルーンの労働
カメルーンでは「人身売買」が日常的に行なわれ、カメルーンに存在する「武力勢力の一員」として利用されたり「奴隷」に近い状況として子供が扱われる事も多くなっています。ギニアビサウ同様に肉体労働に従事している子供が多く、ココア農園・綿花・お茶の生産などの農業や、金鉱・砂利の採石場などの重労働に従事している児童も非常に多く存在しています。
シエラレオネの子供が労働する割合
西のアフリカに位置するシエラレオネで児童が労働する割合は59.20%で、半数以上の児童が労働に従事しています。
シエラレオネの歴史
シエラレオネでは1700年代から非常に多くの「奴隷貿易」が行なわれており、1700年から奴隷制度が廃止されるまでに20万人以上が奴隷として国内外で扱われていました。1961年の国の独立後は国内で内戦が続き、子供が兵士として利用されるなど悲惨な状況に陥りました。
シエラレオネの児童労働
シエラレオネでは2019年に「国の35%の児童が労働に従事している」とされています。他のアフリカ諸国と同様に農業やダイヤモンド鉱山・採石場・工事現場などで労働に従事しています。
チャドの子供が労働する割合
中央のアフリカに位置するチャドで児童が労働する割合は55.90%で、約半数の児童が労働に従事しています。
チャドの歴史
チャドは1960年にフランスから独立し、その後、長い間内戦をが続いていました。非常に貧しい国の一つで、人口の80%が自給自足の生活を余儀なくされています。
チャドの児童労働
チャドでは最低雇用年齢が14歳からに設定されています。しかし、非常に貧しい家庭が多く存在し、家庭を支えるために子供が労働に従事しているケースが多くなっています。子供達は教育を受けていない児童が多く、過酷な状況で非常に長い間の重労働に従事していて、低賃金で働いています。
チャドでは虐待が容認されている
チャドでは「子供を暴力」でしつけるという事が伝統的に行なわれており、学校などでも日常的におこなわれています。児童の人身売買も非常に多く、2018年から人身売買が禁止が推進されていますが、現在も多くの子供が人身売買の犠牲になっています。
ブルキナファソの子供が労働する割合
西のアフリカに位置するブルキナファソで児童が労働する割合は50.30%で、約半数の児童が労働に従事しています。
ブルキナファソも貧しい国の一つ
ブルキナファソでは国民の約55%が貧困層以下の生活が強いられています。医療制度も整っておらず、「母子の死亡率」が非常に高くなっています。
ブルキナファソの児童労働
ブルキナファソでは約51%の児童が労働に従事しています。農業に従事している児童が69.2%で一番多く、家事労働を行なっている児童が19.2%、貿易関係に従事している児童が5.6%、金鉱業に従事している児童は2.3%になります。
賃金は非常に安く、職場の劣悪な環境により病気や精神的なダメージを受ける子供も非常に多くなっています。
ブルキナファソの子供の結婚
ブルキナファソでは18歳未満の約52%が結婚しているとされています。11歳でも結婚している女児が存在し、非常に大きな問題になっています。
まとめ
日本には「日本人の常識」が存在しますが、これが海外では通じない様に、アフリカ諸国では「児童の労働」が常識的に行なわれています。非常に大きな問題ですが、これらを制限した場合、生活に影響が発生し、更なる問題につながるケースがあります。
「最善の状態」を作ると言う事は「常識」を変える事が必要で、これらの問題に対し、長い時間をかけて改善する必要があると思われます。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。