世界のクリの生産量は少ない
栗は日本で多く消費されるナッツですが、生産している国は少なく、世界全体的に多くの栗が「中国」で生産されています。
世界ではどの国がどのくらい栗を生産しているのでしょうか?
世界のクリ
生産量 ランキング
世界の栗の生産量
世界一位 中国
世界二位 スペイン
世界三位 ボリビア
世界の栗 生産量ランキング
Chestnuts, in shell
production (tonnes/year)
国 | 生産量 (t) 2022年 |
---|---|
世界 | 2,131,240.64 |
中国 | 1,562,685.59 |
スペイン | 174,050.00 |
ボリビア | 82,720.73 |
トゥルキエ | 80,200.00 |
イタリア | 57,350.00 |
大韓民国 | 53,373.45 |
ギリシャ | 37,260.00 |
ポルトガル | 29,360.00 |
日本 | 15,600.00 |
朝鮮民主主義人民共和国 | 12,657.38 |
フランス | 10,280.00 |
アルバニア | 6,022.00 |
チリ | 3,595.47 |
ボスニア・ヘルツェゴビナ | 2,011.23 |
北マケドニア | 1,516.60 |
アゼルバイジャン | 637.90 |
ペルー | 616.07 |
ハンガリー | 280.00 |
スイス | 265.00 |
ウクライナ | 225.24 |
スロベニア | 180.00 |
カメルーン | 146.11 |
ジンバブエ | 87.86 |
ルーマニア | 50.00 |
ブルガリア | 40.00 |
クロアチア | 30.00 |
ブラジル | - |
エストニア | - |
フィンランド | - |
ジョージア | - |
アイルランド | - |
ケニア | - |
ラトビア | - |
リトアニア | - |
ルクセンブルク | - |
マラウイ | - |
マルタ | - |
オランダ | - |
ポーランド | - |
ロシア | - |
スウェーデン | - |
トリニダード・トバゴ | - |
出典: ©United Nations Food and Agriculture Organization
データを元にFumib.netがリストを作成
各国
クリ 情報
栗の重さ・エネルギー
栗の重さは一個約30gであり、エネルギーは約35Kcalになります。
モンブランは日本産
栗のケーキ「モンブラン」は日本で生まれたケーキです。栗のケーキはヨーロッパであまり見かけません。
ヨーロッパには「トチノキ」が多い
ヨーロッパは「トチノキ」が良く植えられています。トチノキは「マロニエ」といい、ヨーロッパで「マロン」は「とちの実」の事をいいます。
フランスの栗の生産量は低い
フランスには「マロングラッセ」など栗を利用した菓子が存在しますが、生産量は日本以下になります。マロングラッセは「トチノミ」を利用しているわけではありません。
米国で栗は人気がないの?
米国には野生の栗の木が多く存在しましたが、日本から輸入したクリ材に「クリ胴枯病」の原因となるクリ胴枯病菌に感染した木があり、米国の栗を木の数を激減させました。
生産国は多くない
栗を生産している国は限られており、北米ではほぼ生産されていません。
中国
栗 情報
中国の栗
栗は中国語で「板栗(バンリ―)」です。
クリの種類は大きくわけて4種類
栗は主に「アメリカ」「ヨーロッパ」「中国」「日本」の4種あり、中国の栗は約6000年前から消費されている非常に歴史のある食物の一つです。
中国のクリの生産地
中国は北部の「河北省(かほくしょう)」が栗の最大の生産地です。河北省は温暖な気候、長時間の日照時間、豊富な降水量があり、栗の栽培に適した土地を有しています。生産された栗はオーストラリア・日本・東南アジアなどに多く輸出されています。
その他に東部の「山東省(さんとんしょう)」、北東部の「遼寧省(りょうねいしょう)」、中東部の「湖北省(こほくしょう)」、中部の「陝西省(せんせいしょう)」、中東部の「安徽省(あんきしょう)」「河南省(かなんしょう )」、南東部の「福建省(ふっけんしょう)」、中西部の「四川省(しせんしょう)」「貴州省(きしゅうしょう)」、南部の「 広西チワン族自治区」「雲南省(うんなんしょう)」などで多く生産されています。
天津甘栗は天津で生産された栗ではない
日本で有名な「天津甘栗(てんしんあまぐり)」は「北京」「河北省」で生産された栗が多く利用されています。
中国は日本同様に栗を蒸して食べたり、粉末にしてケーキなどに利用されます。「栗と鶏肉の煮込み料理」も中国で有名な料理であり、ホテルやレストランで高級料理として扱われます。
スペイン
栗 情報
スペインの栗
栗はスペイン語で「Castaña(カスターナ)」です。
栗の木を「木材」として利用
スペインは栗を「木材」として利用する事が多いため、多くの栗の木を植林しています。スペイン全土で16万ヘクタール以上の土地に栗の木が植林されており、食用の栗の木は2万7千ヘクタール以上です。
スペインの栗生産地
主な栗の生産地は北西部の「ガリシア州」、中部の「カスティーリャ・イ・レオン州」「アンダルシア州」、南西部の「カナリア諸島」です。スペイン北部の「アストゥリアス州、北西部の「ガリシア州」、南西部の「エストレマドゥーラ州」、北東部の「カタルーニャ州」などで木材として栗の木を植林しています。
多くの栗が輸出される
スペインで生産された栗の半分が食品として国内・輸出用として利用され、残りの半分が冷凍・加工品として利用されます。加工品の栗は「マロングラッセ」「クリーム」「栗粉」など国内外で利用されています。
ボリビア
栗 情報
ボリビアの栗
栗はボリビアで利用されているスペイン語で「Castaña(カスターナ)」です。
ボリビアはどこ?
ボリビアは南米に位置しており、「コーヒー」「サトウキビ」「バナナ」などが生産されています。国内で多くの栗も生産しており、南米で輸出される栗の80%がボリビアで生産された栗にです。ボリビアで生産された栗は主にヨーロッパ諸国へ輸出しています。
ボリビアの栗生産地
主に北部の「パンド県」「ベニ県」、北西部の「ラパス県」で栗生産がおこなわれ、主にボリビア北部が栗生産の中心地です。
気候変動の影響
近年、気候変動の影響により「温暖化」が進行しています。ボリビアで生産されている栗は75%が「アマゾン地帯」で生産されており、天候不順による生産量の減少が懸念されています。
「ブラジリアンナッツ」
南米では「ブラジリアンナッツ」というクリと少し似たナッツが存在しており、非常に人気があります。殻の重さが約5㎏あり、落下してくる実を「盾で防御」しながら収穫します。ボリビアはブラジリアンナッツの生産量が世界一です。
テュルキエ
栗 情報
テュルキエ(旧トルコ)の栗
栗はテュルキエ語で「kestane(カスターナ)」です。
テュルキエの栗生産地
主に南西の「アイドゥン県」で多くの栗が生産されており、国内で生産される栗の40%以上がアイドゥン県で生産されています。西部の「イズミル県」でも多くの栗が生産されており、国内で生産される栗の20%を超えています。
栗の栽培は主に「エーゲ海」に近い地域でおこなわれており、非常に質の良い栗が生産されています。国内で生産された栗は主に「イタリア」「ドイツ」などを含む30を超える国々に輸出されています。
スペイン・イタリアとライバル関係
「スペイン」「イタリア」も多くの栗を輸出しており、これらの国々とテュルキエは栗生産のライバル国です。気候が似ており、非常に質の高い栗を生産しています。近年では中東からの注文が多く、今後、テュルキエのクリの輸出は更に拡大すると思われます。
韓国
栗 情報
韓国の栗
栗は韓国語で「밤(バム)」です。
韓国の栗生産地
主に南西部の「忠清南道(ちゅうせいなんどう)公州市(コンジュシ)」が栗の名産地として有名です。韓国中部の「京畿道(キョンギド)」、南部の「全羅道(チョルラド)」でも多くの地域で栗生産がおこなわれています。
韓国で生産される栗は国内で消費されるだけではなく、海外輸出もおこなわれています。
屋台で販売される
国内の屋台で販売される「군밤(クンバム):焼き栗」は非常に人気があり、冬場の菓子として有名です。焼き栗の屋台はスペインなどにも存在します。
イタリア
クリ 情報
イタリアの栗
栗はイタリア語で「Castagna(キャスターニャ)」です。
イタリアの栗生産量
主に北西部の「ピエモンテ州」「トスカーナ州」「リグーリア州」、北部の「ロンバルディーア州」などで多くの栗が生産されており、主にイタリア北部での栗生産が多くなります。
栗の輸出先
ヨーロッパ中心に栗を輸出しており、主に隣国の「スイス」「ドイツ」「オーストリア」などに輸出されています。
イタリアも「トチノキ」が多い
「トチノキ」は1500年代から「並木」として利用されており、イタリアにも非常に多くのトチノキが植えられています。トチノキはギリシャなどの「バルガン半島」で自生しており、ヨーロッパを中心に分布しています。
ポルトガル
栗 情報
ポルトガルの栗
栗はポルトガル語で「castanha(キャスターニャ)」です。
ポルトガルの栗生産地
主に中部の「サンタレン県」、北部の「ヴィラ・レアル県」、北東部の「ブラガンサ県」などで多くの栗が生産されています。
ポルトガルの栗生産
ポルトガルでも気候変動などの問題があり、栗の生産量に増減があります。農家の高齢化も進行しており、今後、生産量が減少する可能性があります。
ギリシャ
栗 情報
ギリシャの栗
栗はギリシャ語で「κάστανο(カスタノ)」です。
ギリシャの栗の生産地
主に中部の「ラリサ県」で多くの栗が生産されており、国内で生産される栗の20%以上がラリサ県で生産されています。ラリサ県では古代から「ブドウ」「オリーブ」「イチジク」などを生産していましたが、人口増加と共に様々な果物や野菜の生産が開始されています。ラリサ県は現在も非常に多くの作物を生産しており、ギリシャの農業を支える重要な場所の一つです。
栗の収穫祭
ギリシャでは「栗の収穫祭」が様々な地域でおこなわれています。北部の「テッサロニキ県のテルミ市」では11月にクリの収穫祭がおこなわれ、多くの人がテルミ市を訪れます。
日本
クリ 情報
日本の栗生産地
主に「茨城県」「愛知県」「岐阜県」などで多くの栗が生産されています。日本の栗の自給率は約65%程度であり、他国から多く輸入されています。
茨城県笠間市は栗の名産地
茨城県笠間市は日本有数の栗の名産地であり、非常に多くの栗が市内で生産されています。笠間市では秋に栗を利用した料理が楽しめ、9月~10月にかけて「笠間の新栗まつり」がおこなわれています。
笠間市では「笠間焼き」も非常に有名で、美しい器盛られた「栗のデザート」を楽しむ事が出来ます。
北朝鮮
栗 情報
北朝鮮の栗
栗は朝鮮語で「밤(バム)」です。
北朝鮮の栗の生産地
主に「平安南道(ピョンアンナムドウ)」などで非常に多くの栗が生産されています。
焼き栗店の増加
北朝鮮では焼き栗店が増加しています。北朝鮮でも焼き栗が非常に人気であり、屋台などで焼き栗が販売されています。
まとめ
栗のデザート
栗は「日本」「中国」「朝鮮半島」非常に多く消費される木の実であり、ヨーロッパでは「スペイン」「フランス」「イタリア」などで多く消費されます。しかし、ヨーロッパ全体で見ると消費が限定的であり、栗を利用したデザートなどは更に限定的です。
日本今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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